2008年09月20日

連載「恋」第4回

母への怒りも抑えられなかった私でしたが様々な家の処置も含めて
とりあえず東京の自宅へ戻る事にした。
明日帰る前夜、私は母の部屋に入ると、文箱の中の男の手紙を袋に
入れて持って帰る事にした。
ほって置くことも考えたが(母の手紙を取り戻したい)思いもあった。

東京ではいつもの変らない生活が私を待っているだけだった。
夫も子供達も私を労ってくれる言葉も無いままに・・・
妹の病院を訪ねる事にした。母の家の相談もあった。
「お姉ちゃん、悪かったねこんな時に私がこんな風になってしまって
。ご苦労様でした」と珍しく優しい言葉で私を迎えてくれた。

「あの家の事だけど、築年数も経ってるしねどうしょう」私が話すと
妹は待っていたかのように言った。
「お姉ちゃん、お願いあの家、私達家族で住みたい駄目」そうか
妙に優しいと思ったと、私は妹の顔を見て思った。
「いいんじゃない、私はかまわない、あんたの今住んでる
アパートじゃ大変だものね」妹には母の手紙のことは触れなかった。
数週間がたち、私は改めて手紙を取り出して読み始めた。
10年以上の服役囚は何処の刑務所だろう。
消印に網走と読み取れる文字がはっきりと見えた。    つづく
posted by 桂のたまご at 17:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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