2008年10月13日

メルヘン「アヒルの子」1

アヒルの母さんが暖めていた卵の中のヒナが殻を破って1羽づづ
外の世界へ出てきました。「まあ!可愛い事だこと」と
周りのアヒルの大人達の声がヒナ達の耳に聞こえてきました。
1羽又1羽と6羽のヒナが出て来ました。でも、
見ると後1個の卵がまだでした。皆は固唾をのんで卵に集中しました。

やがて、卵の殻が割れ出し可愛いヒナが出てきました。
母さんも皆も大きな声で言いました「よく頑張ったね」ヒナは
みんなの顔を下から怖そうに見つめています。
「変だね、この子ったら喜んでないみたいだよ」と大人のアヒルが
言いました。母さんアヒルは優しくヒナの頭を羽でなぜてやりました

6羽のヒナ達は元気に母さんアヒルの身体にすりすりしては
甘えてくるのに、何故か最後の7羽目のヒナだけは
母さんや兄弟アヒルの近くから離れた場所で身体をちじめて
じっと動きませんでした。
母さんアヒルは、子供達に名前をつけました。
名前を呼ぶと子供達は直ぐに覚えて「はい」と返事が出来るまでに
成ってました。しかし、ルーと名付けた子は、何度も「ルー」と
母さんが呼びかけてもじっと見つめているだけでした
寂しそうな目で。

母さんアヒルはハッと気づくのでした。もしかしてルーは耳が
聞こえないのではと。そこで母さんアヒルは地面に木の棒で
お前の名前はルーだよと書きました。
ルーは地面に書かれたルーという名前を見て母さんアヒルの顔を
見ると首を立てに振りました。そして初めて母さんアヒルの
あったかな身体にすりすりしたのでした。
「ゴメンよ、もっと早く気づくべきだったね」母さんアヒルは
泣きながらルーを抱きしめてやるのでした。
そして、他の子供達を集めるとルーの耳が聞こえない事を話ました。

「いいかい、ルーは耳が聞こえないだけで皆とそれ以外は同じだから
分った」「言葉を伝える時は地面に書いてやるんだよ」
「分った母さん」ルーはそのうちみんなの口を見るだけで
言っている事が理解できるように成りました。
そんな家族を襲う大事件が起こるまでは、それは・・・
大雨が続いた暗い真夜中の嵐が来るまでは      つづく
posted by 桂のたまご at 13:43 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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