2008年11月29日

連載「恋」第13回

私は男から送ってきた母の手紙の束を手に取った。じっと目を閉じ
抱きしめました。母の男への思いが痛いほど感じる。
男からの手紙が入っていた。遅くなったことへの詫び状でした。
丁寧な文章に私は思った(こんな文章を書ける人が何故殺人を犯した
かと)母の手紙が男を変えたんだと思った。

私は男の手紙を小物入れから取り出すと、送られてきた母の手紙と
一緒に束にして、お菓子の空箱に入れた。
母の手紙は読まない事に決めていたと言うよりも母と男の「恋」の
中には入れないと思った。

「お母さん。逢いたいでしょう、一緒がいいよね。」二人の
手紙に声をかけて私は幸せな気持ちに成っていく自分が嬉しかった
。お父さん怒るだろうなと笑った。良いよね、お父さんは
優しい人だった、私は分ってるからね。向こうの世界で母と父は
再会したのだろうか?
母の「恋」のこと知ってしまってどうしてるのかなお父さん
男はきっと地獄だから会う事はないから、夫婦又して下さい。
だからこの手紙は、男の所へ送り返すね。
この手紙の居場所はここではないもの、良いよね。

私は男に手紙を書いた。「この手紙は母とあなたのものです。お返し
致します。これが最後の母の手紙として」
私は男に母の名前で手紙の束と一緒に送った。
それから数日後夫が「花嫁の父」として結婚式にでる事を
息子達に打ち明けた。全く知らなかった事だったので息子達は
戸惑っていたが、「お父さんの事だからありえることだよ」と、
「お母さんは言いの」私を気遣ってくれた。
私は離婚届けの用紙を息子達に見せた、そしてそれを破いた。
「これがお母さんの決断」「お父さんを許すんだ」
そこへ
夫が何も知らずに2階から下りてきた。息子達の罵倒の嵐を受けて
いた、私は「お父さん行っていいから」と言うと、
「すまん」夫は謝って急いで家を出て行った。
お母さん、笑う、あんな夫なのにって言いたいでしょ、悔しい
ですよね。でもこれが私の「恋」だからです。       完
ラベル: 手紙
posted by 桂のたまご at 09:03 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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