2009年07月05日

「貧乏神さん僕を嫌いになってくれませんか」第4回

少女の言った事で僕はおばさんとの別れに悲しむ時間を
失った気がして怒りが込み上げた。
(小人が僕の肩に乗っている)そんな事があるわけない
と思いつつも窓に写る自分の肩を見た。

(やっぱり)僕はほっとした。
肩に小人はいなかった、「嫌な事言いやがって」僕は安心
安心したのかバスの運転手さんに起こされるまで
ぐっすりと眠り続けていたようだった。

バスを降りて紙に書かれた地図を見ながら
施設に向って歩く僕の足は重く鉄のようになって行きたくない
拒んでる僕の気持ちが痛いほど感じていたが
今の僕に行く場所は施設以外にはないことも分っていた。
施設は僕が想像したよりも古い民家だった事で
不思議に安心した。

老人が中から無言で僕を手招きした。僕は「こんばんわ」と
頭を下げた。しかし老人は無言のままだった。
施設には十数人ほどの僕と同じ年の少年少女が
暗い目を一斉に僕に向けて針で刺されるような痛みを
僕は感じた。僕には無関心とでも言いたげな空気に
僕は(ここには長くはいられそうにない)と心で感じると
これまで以上に悲しさが込み上がって涙も出てこなかった。
自分を哀れんでしまっていた。とその時、耳元で小さな声が
囁いた「自分が世界一不幸ものはおこがましいね」と、
振り返っても誰もいなかった。       つづく
posted by 桂のたまご at 06:52 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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