2009年07月22日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第7回

「出て行け、出て行け、出て行〜け〜」僕は渾身の力で
叫んでいた。廊下を早足でこっちに向ってくる音がした
ノックもなくいきなり戸が開けられ「何時だと思ってるの
静かにして」とおばさんが怖い顔して言った。

僕は黙ってうな垂れた。「分ったね」おばさんは勢いよく
戸を閉めて出て行った。
(ちくしょう小人爺さんが悪いんだ)
僕は鏡の中の小人爺さんに文句を言ってやろうと
見たが小人爺さんは肩の上にもどこにもいなくなってた。

「やった!出て行ったんだ!」僕は勝ったんだ、おばさんに
怒鳴られた事で腹が経っていが
いなくなれば何でもいいと思た。
僕は薄い布団を顔まで覆って寝た。朝に成って僕は
ひょっとして小人爺さんが又現れてないか
鏡を覗いてみた。「良かった・・・」

あれは僕の疲れから来た幻覚だったんだと安心した。
施設の食堂へ向った。
おばさんが食事の支度をしていたので僕は昨晩のことを
改めて言葉にして謝った。
おばさんはむすっとした表情だったが「いいよ」だけ言うと
僕に邪魔だから食事の時間が来たら声かけるから
部屋で待ってるように言ってせっせと仕度を続けた。

部屋に戻って僕は寝転がって天井を眺めて思った。
本当にきのうのあの小人爺さんは幻覚だったんだろうか
安心感が急に不安へと変わってしまってた

「おお当たり幻覚なんかじゃねえさ」
僕は鏡を見た、ああ・・・肩の上に憎らしい小人爺さんは
嬉しそうな顔であぐらをかき僕を見ながら
話し始めた。
「言い忘れてた10年までだったら
あんたが俺様に出て行けと叫べは出て行ってたさ。
いいか16年と10カ月も一緒にいるとな
俺様があんたを嫌だ一緒にいたくねえって思わないと
駄目なのさ。つまり主導権は俺様にあるって事さ」と
大あくびをした。
「朝ご飯だよ」おばさんの呼ぶ声が聞こえた。      つづく
posted by 桂のたまご at 06:38 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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