2009年07月29日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか 」第8回

僕は施設で初めての朝ごはんを食べた。
しかし、肩に小人爺さんを感じて美味しく食べることが出来な
かった。誰かにあの少女のように小人爺さんに
気付かれたらどうしょうとそればかりが気に成っていたからだ。

寮長らしき人が皆に言った。「きょう1日は二度とは来ない
だからこそ大事に過しなさい」そんな言葉を
皆は神妙な面持ちで聞いていた。

「君はこの後私の部屋へ来てくれるかな」僕にそういって
から、部屋で待ってる様に言われた、僕は部屋に戻ると
すぐさま鏡の前に座った。
「あれ!肩の上には小人爺さんがいない」どうせ隠れてて
又嬉しそうに笑って現れるに決まってるそう思ってた。
寮長さんが部屋へ来るようにといったので手で
肩を触りながら廊下を歩き寮長さんの部屋に
入った。

僕は部屋の中に鏡がないかと瞬時に目で探してた
なかった(良かった)
「学校の事だが君の場合3年の2学期からの夜間学級へ
行っててもらう事になってるからね。
どっちにしてもこの施設は高校卒業までなんだから
しっかり勉強して就職出来る様にがんばるしかない、
昼間はここの工場で働いてもらう事に成る」といった、お給料は
施設を出る時に渡す事が決まりに成っているので
承知するようにと僕を工場へと連れて行った。

鉄の臭いがして嫌いではなかった。
僕は簡単な仕事から始めた、仕事をするのは初めてだったので
何だか楽しいと思ってた。お昼に成るまで
小人爺さんのことをすっかり忘れてしまってた。
夜には学校へ施設の数人と一緒に車で送ってもらい
言われたとおり勉強をかんばっるそんな毎日を送っていた。

あの日以来小人爺さんは一度も姿を見せなくなっていた
僕は期待してた(僕のこと嫌いに成ってくれたんだ)と
そして学校も無事に卒業し就職も
ある都市の町工場で働く事に決まった。
僕の頭の隅には小人爺さんを感じない日は無かったものの
年月が10年目を過ぎた頃にはほとんどといっていいほど
小人爺さんは過去の存在へとなっていってた。
僕は28歳に成った               つづく

posted by 桂のたまご at 06:21 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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