2009年09月21日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第13回

「あんたが僕をこんなひどい目にあわせたのか」
僕は悪びれた様子さえ感じない小人爺さんに心底腹が立ってた。
「思いたいざんしょ・・・」
「あっしは貧乏神に成りたくて成っちゃいねえす」

そう言うと小人爺さんはすっかり元気がなくなり
部屋の隅っこに背中を曲げてうずくまってしくしく泣き始めた。
僕はいい気味だと思った。出来れば
僕を嫌いに成ってくれればと願った。

「そんなに、あっしが嫌いでやんすか」
「そりゃそうでさね、何百年も嫌われ続けてきやして
あっしもそろそろ潮時をかんじてるんでさあ・・・」
そう言っと小人爺さんはぱっと微かな煙を出して
消えた。別れの言葉も残さずに・・・
僕は小人爺さんが出て行ってくれたのかあまりにあっけない
と思ったが「ヤッター!人生悪いことばかり続く事はない
これからは人生やり直そう何たってあいつから
解放されたんだから」そして、テーブルの上に置かれた

子供の写真を見て僕は「似てない」何気なくそう思った。
(写真が偽物だったことはこの後僕は知ることになる)。
僕はとにかく仕事を探し始めた、
工場でのお得意先でお世話に成ることになり
僕は必死で仕事を頑張った。
子供の為にと養育費も払い続けた。
5年が経った写真は1年ごとにたった1枚、送られてくる
嬉しさよりも・・・我が子が
不思議にどんどん他人に思える自分が嫌でたまらなかった。

小人爺さんはあの日以来一度も現れ無くなっていた。
時々肩に小人爺さんを感じて見てみるが姿は見えない
小人爺さんの最後の姿を思い浮かべると
もっと良い別れ方をしたかったと後悔する
「あんな爺さんとは二度と会いたくないね」と思いながらも
この寂しさは何故だろうかと思った。          つづく


posted by 桂のたまご at 07:44 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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