2009年11月19日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」最終話

街はクリスマスの夜を迎えてた。僕はビニールテントの我が家の
手作り窓からそんな様子をお酒を飲みながら
眺めてた。

「寂しい」いや「幸せだ」温かい一杯のお酒で
僕は幸せを感じてた。
こんな生活に幸せと感じてしまったのかとは思うが
心底幸せをかみられている。

「雪だ、良いねクリスマスには雪があってる」
僕は外に出た。
ボロ服の襟を立てて街の中を歩きたいと急に思って
お酒の入ったコップを手に幸せそうにしている人達の中を
歩いた。

雪はどんどん激しくなっていき気付けばあっちこっちに
積もり始めていた。
マッチ売りの少女を思い出す。
僕ならマッチ売りの少女に会ったら有り金すべてを出して
買ってやれたのにと思ってた。

レストランの裏に置かれてる
ゴミ箱の蓋の上にも雪が積もり始めている、そろそろ帰るか。
そう思ってふと何かがゴミ箱の蓋の上で動く物を
感じた。
あ!僕は目を疑った。「小人爺さんじゃないか」
懐かしい卑しいその姿に僕は駆け寄ると
雪をかぶってる小人爺さんを手に取っていた。
小人爺さんの体は冷え切ってて僕は急いで我が家に
帰ってストーブの前で小人爺さんを暖めてやった。

「何してたんだよ」「何か憎たらしいこと言えよ」
僕は必死で呼びかけていた。
数時間経った時、「お久しぶりでやんす」
か細いながらも小人爺さんの声だった。
大丈夫かと僕は小人爺さんの顔をのぞき込みながら言ってた。
「だめでやんす、どうやらやっとお迎えが来たようでさあ」
僕は怒った「駄目なもんか、僕が助けてやる」
「ここで一緒に暮らそう、そうしよう」
「神様も粋なことなさいやすです。最後の日に
あんたに会わせ下さいやすなんてさ」

「幸せな顔してやすな、あっしが出て行ったからで」
「違う、小人爺さんがいなくなって僕は寂しかった」
「そんな貧乏神のあっしがいなくなったことが寂しかったなんて
最高に嬉しいでやんす」そう言うと小人爺さんは
全く動かなく成ってしまった。やがて小人爺さんは僕の
手の中で雪が解けるように何も見えなくなった
外では雪がいつまでも降り続けていた。         会いたい               
posted by 桂のたまご at 08:06 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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