2011年01月17日

「無音」2

一睡も出来ないまま迎えた朝、父も母も妹もいない朝は現実じゃないと思い込もうとしても
血の臭いが、これは現実だと 嫌でも突きつけて来る
証拠保全という理由で物を動かす事も出来ない、

私は自分の部屋でじっとしてた。悲しいかなトイレに行きたくなり、
2階からトイレへ走って行った。何故なのか涙が一滴も出てこないのが不思議だった
母の遺体しか私は見ていないので
父と妹の事を、実感出来ずにいてた。
部屋に戻るとテレビを付けた。

朝早い時間だと言うのに「一家惨殺事件」特番をやってる。
一人残されたのは長女だとリポーターが見慣れた家の前からマイクを手に
話していたので
私はそっと窓のカーテンを細く開けて外を見た。
夢かと思うほど大勢のマスコミが来ていた。警察のパトカーも見えた。

9時に成ると警察官の人達が十数人家へとやって来て
私に発見時の状態を聞きに来たと思った。手話の出来る女性警官を連れて来たからだ。
彼女は私に 大丈夫かと最初に聞いてくれた。
私が携帯メールで大丈夫じゃないと書き込み最中に

叔父夫婦が遠い青森から駆けつけてきてくれ私はいきなり抱きしめられる。

子供の時から殆ど会ったことのない叔父夫婦に泣かれて抱きしめられる事に
違和感がどっと押しよせてきて
私は叔父さんを突き放してた。そんな私の態度に叔父夫婦はびっくりはしてたが
何も言わずに黙って夫婦は私から離れると警察の人に話をし聞いてくれているみたいだった。

何故 こんな事に成ったのか知りたいのは私なんだと大声で叫びたいと
彼女に手話で言った。
私は何も知らないし語ること何て何もなかったからだ。

叔父夫婦は、遺体はまだ返せないと言ってると
私に紙に書いて教えてくれた。
暫くおばさんが 私の側にいてくれることに成った事も書いてあった。
断る理由もなかったから お願いしますと私は携帯のメールに書き込んだ文字を
見せた。そして今後はメールで会話をしたいと言った。
この方法が私の会話の手段だったからです。
正直言うと手話は家族とも職場でもしてない事
もっぱら 携帯のメールをノートの様に使って来たと彼女にも見せた。    続く



posted by 桂のたまご at 09:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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