2011年02月20日

「無音」11

少年をいたぶる楽しさに彼女は何を求めているのか?
一人部屋にいる彼女は、化粧もしないシミの出始めている鏡の中の
自分を睨み付けてる。
人には出会わない方が良かったことが有るとおもう。

彼女もそんな一人だ、
8歳で自分を捨てて行った母親の事は忘れたい人だったからだ。
親戚の家で随分いじめにあい、15歳で おきまりのように
非行の道に入り シンナーも薬も経験する。そんな中で突然現れた父
初めて見る父親だった。

父は、何も聞かずに彼女を引き取ってくれた。
そこには、幸せな家族があり、彼女を暖かく迎え入れてくれたのだ。
彼女は父とはどうしても距離のような物があって
心を開けずに暮らすが
父の妻とは不思議と気があった。

それなりの普通の女性として社会に出ることも出来ていき
知り合った男性と最初の結婚をした。2年続いた。
子供は出来ずにいたが幸せだと彼女なりに思っていたのに・・・
ある日突然に 「頼む離婚してくれ」と夫が頭を下げてきた。
付き合ってる女性に子供が出来たからが理由だった。彼女はあっさりと
離婚に応じた。

泣きわめけば良かったのに出来ない自分がいて気丈な対応を取った。
感情が動かない、何なのよ!別れたくない。怒りと未練が爆発すんでんなのに彼女は
押さえ込んでしまったのだ。離婚成立。彼女は父に、母の事を初めて聞く。
「お前の母は感情という物が無い女だった」と父の言葉
同類じゃないの、不思議に嫌な気がしなかった。むしろ嬉しく思った
母と繋がってる気がして・・・

彼女は一人暮らしをしながら時々父の家に食事に帰るという
生活が快適に成っていく。
結婚はしない女に成ってやろうと 気楽が良いと思ってた。
そんなある日、あ!「母だ」
20年ぶりに見る母だった。記憶という物は凄いと思った。
確信が有った母だという。
4人の家族は幸せそうに食事をしていた。何かが崩れていく音もなく
                                 続く
posted by 桂のたまご at 08:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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