2011年04月05日

「無音」15

Tは 私のために手作りのご馳走を用意していてくれてた。
2匹の犬を我が子のように扱い、私に抱くように進めてきたが 私は動物が苦手だった
例え小型犬であっても
どう接して良いかが分からなかったからだ。

なのにTは何の躊躇もなく私に犬を抱いてやってと渡し楽しそうに笑った。
生まれて初めて犬の感触、柔らかいんだと思った。顔をぺろぺろとなめられ
やはり手から犬を放した。
Tは、私と手話で話したいから手話の学校へ通い始めたと
手話で会話してきた。
(駄目)私は、Tへの警戒心を奪われそうになってると気づき
呼吸を飲み込んで 冷静な自分を取り戻そうと思った。

Tの手話はそれ成りに上手だなと認めざるを得なかった。
母との別れはTにどのような傷を受けて来たのか知りたいと考えていたが
今はまだ聞くには早すぎると判断して たわいない会話をと思っていたが
突然Tの方から 母を怨んでずっと生きてきたと
話してきた。それにしても手話が習い始めじゃないと思い始めてた。
私は、手話は最近なのと聞いてみた。

分かった、Tは笑いながら 母の事調べて家も何度か観に行っていたと
そしてKが耳が聞こえないことが分かったからそうね
4年も前から習ってたの。何で今習い始めたなんて嘘言ったのよと聞くと
Kに気を遣っただけよ。嫌な嘘じゃないでしょ。
こうして手話で会話できるなんて期待してなかったのに嬉しい!
止めて、嬉しい何て あなたは母が殺されたこと喜んでるみたいじゃないの。
私は怒りから手話が早くなってた。普通の人なら
この早さの手話だと何言ってるのかが分からないはずなのにTは
何の事も無く、私の手話を読み取れていた。私は母への愛情を受けなかったからKのように
・・・母が悪いのよ!

K私が母を殺した犯人だなんてまさか思ってる。
私は とっさに返事が返せなかった。
そうなの、犯人かもってだから今日も会いに来た何か手がかりに成る物を
探しに(笑)ごめん違うよね、嬉しいなんて不謹慎だったわ許して。
来るんじゃなかった、Tを甘く見すぎていた 悔しさで居たたまれず
私帰ります。そう言うと立ち上がり急いでTの玄関の扉を開けた瞬間
何かにぶつかって転倒してしまった。Tと家へ来たあの暗い少年だった。
Tが 大丈夫と私の手を取って
起こそうとしてくれたが 私はすっと立ち上がると さようならと言って
小走りにTの家から出来るだけ離れたいと。
後悔と惨めさが交互に私を押しつぶすのだった        続く




posted by 桂のたまご at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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