2011年05月11日

{ 「無音」17

朝早くに大阪へ新幹線で向かうことにした。
東京駅に来たのは久しぶりだなと過ぎ去った思い出が蘇る!
子供の頃には父や母と妹そして私の四人で
東京駅から良く旅行へ行ったなと思いだしたからだ。

大阪には一度も行ったことはなかったな、
母とTの事を知るために大阪行きの新幹線に初めて乗る。
窓に私の不安そうな顔が見える。
何も真相にたどり着けないかも知れないのにじっとしては居られない
Tは 私が大阪へ向かうこともきっと知っているのだろうと
思う。

まあ 知られていたって別に構う物かとも挑戦的な自分に驚きもする。
そんな事を思ってるうちに早くも大阪に到着した。
母の知人宅へ直行した。
大阪駅からタクシーを拾い住所を告げるとそんなに遠くないところで
タクシーは止まった。
喫茶店をしていて直ぐに分かった。

私が店内に入ると女性が待っていて笑顔で迎えてくれた。
「ようこそ」その人はメモ用紙にそう書いてくれた。母よりも年は上に感じた。
「お母さん達の事は大変でしたね」と涙ぐみ私の手を両手で握りしめてくれた。
私は大阪での母の暮らしを教えて欲しいと書いた

その人は、悲しげな表情を浮かべてメモに書かれる真実に驚いた。
「お母さんは可哀想な人やった、結婚して女の子も出来て幸せに暮らしていた5年後に
突然ご主人が殺されて、今回の事はそんなこともあったんで
驚きました」

女の子はTだと思った。(殺されたって犯人は捕まったんですか)と
書いた。「それが分からんじまいです」(母は女の子とその後どうしていたんです)
「お母さんは、ホステスに成り親子で頑張ってた」
「1年ほどしてからかな、お客の1人と同棲が始まってね、女の子がその男に
暴力を受けて私の所へ顔に青あざを付けてよう逃げてきてね・・・
「それから暫くしてお母さんは、私にも言わずに大阪から居なくなったんです」そしたら
突然東京で結婚して幸せに暮らしてると手紙が来たときは
嬉しくてね。それやのに・・・あんな殺され方をするなんて、新聞やニュースで知って
何でと思いました」

てっきり、
「あの子も一緒にと思ってましたからね、
今回あなたから、あの子が施設に入ってたと聞かされて考えられんかったんです」
あの後の2年間の事は何も知らんのです」
「犯人が同一の人やろかとさえ思ってしまいました。警察にはそう言って
話しておきましたけどね」警察が大阪まで聞き取りに来てたことを私はこの時知る。
私はTと言う女の子の事を聞いてみたかったが聞けなかった
何故なのかは分からなかった 分からなかった・・・
                                  続く



posted by 桂のたまご at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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