2011年07月11日

「みにくいあひるの子」

参観日の朝 優衣は布団から中々出たくなかった。(お願い お腹痛くなって)
「優衣 時間よ」母の声がする。
母は張り切っている。私とは違い参観日がお気に入りなのだ!
嘘は直ぐにバレる 暗い気持ちで2階からキッチンへ向かい沈黙の中で
朝食を食べて学校に行く支度をする。

母が 決めた服が用意されていて抵抗無く私はそれを着る。
私は自分の顔が嫌いで鏡で対面する時。こんな事も考えていた 私はもしかして
お母さんの子供と違うかも知れない、どこかの孤児院でもらわれてきたのかもと・・・
母は美人で明るい 私のこんな思いを分かってくれているのかどうなのと
一度聞きたいと思ったが怖くて聞けずにいた。

学校でも「優衣ちゃんの美人のお母さんきょうはどんな服で来るのかな」と
同級生に聞かれる事が嫌で仕方なかった。
まるで女王様に成るからだ。
私はこの日教室に入り机に座ったが 立ち上がると
教室を出て、学校も出て行ってしまった。

千葉にお母さんの実家があった、パートに出かけている母のいない家へ戻ると
母がお金を入れている缶の中から2万円をポケットに入れて
駅へ急いだ。
無性におばあちゃんに会いたいと思ったからだ・・・
切符を買うと千葉行きの電車に乗って座席に座ると身体がぶるぶると震えだしてきていた。
「千葉、千葉」のアナウンスがして
私は走るように千葉駅を出てタクシーに乗り
行き先を運転手さんに告げた。

20分ほどでおばあちゃんの家に着いた。
「こんにちは」呼び鈴を押しても誰も出てくれなかったから何度も「こんにちは」と
呼び続けている内に後ろから「優衣 どうしたの」
優しいおばあちゃんの声だった。
驚いた顔で私を見ていたが黙って何も聞かずに家の中へ入れてくれた。

黙ったままで私は部屋の中でしくしく泣いてた。
お母さんから電話が来た。私は電話には出ないとおばあちゃんに言って
押し入れの中に隠れようとした。
おばあちゃんが「優衣見せたい物がある驚かんでね」と前置きして
一枚の写真を私の前に置いた。
何だ私の写真じゃないのと思ったが違うと気づいた。
「優衣、お母さんの子供の頃の写真、他の写真はみんな燃してしもうて
おばあちゃんがこの1枚だけ隠しててね・・・

「お母さんを責めたりしないで欲しい」
「お母さんは この顔が嫌やと言って高校に東京へ入学前のに
整形手術をして今みたいな顔に成った」
私はおばあちゃんの言ってることが信じられなかった・・・
「優衣、お前もお母さんのように成れたらいいと思う」お母さんが嫌ってた顔
おばあちゃんは可愛いと思ってたからね

「優衣の顔おばあちゃん大好きや」
優しい言葉で言ってくれた。私は昔の母の写真を見直してみた。
何か嬉しくなっていた。母はこんな秘密抱えてるのかと可哀想になっていた。
「おばあちゃん、これまでの話、聞かなかったなかった事にするね」

「優衣ありがとう」おばあちゃんは嬉しそうだった。
おばあちゃんが私の髪をリボンで括ってくれた。鏡の私に始めて笑顔を見せたら
鏡の中の私も笑顔で返してくれました。                   おわり


posted by 桂のたまご at 11:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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