2011年07月11日

「みにくいあひるの子」

参観日の朝 優衣は布団から中々出たくなかった。(お願い お腹痛くなって)
「優衣 時間よ」母の声がする。
母は張り切っている。私とは違い参観日がお気に入りなのだ!
嘘は直ぐにバレる 暗い気持ちで2階からキッチンへ向かい沈黙の中で
朝食を食べて学校に行く支度をする。

母が 決めた服が用意されていて抵抗無く私はそれを着る。
私は自分の顔が嫌いで鏡で対面する時。こんな事も考えていた 私はもしかして
お母さんの子供と違うかも知れない、どこかの孤児院でもらわれてきたのかもと・・・
母は美人で明るい 私のこんな思いを分かってくれているのかどうなのと
一度聞きたいと思ったが怖くて聞けずにいた。

学校でも「優衣ちゃんの美人のお母さんきょうはどんな服で来るのかな」と
同級生に聞かれる事が嫌で仕方なかった。
まるで女王様に成るからだ。
私はこの日教室に入り机に座ったが 立ち上がると
教室を出て、学校も出て行ってしまった。

千葉にお母さんの実家があった、パートに出かけている母のいない家へ戻ると
母がお金を入れている缶の中から2万円をポケットに入れて
駅へ急いだ。
無性におばあちゃんに会いたいと思ったからだ・・・
切符を買うと千葉行きの電車に乗って座席に座ると身体がぶるぶると震えだしてきていた。
「千葉、千葉」のアナウンスがして
私は走るように千葉駅を出てタクシーに乗り
行き先を運転手さんに告げた。

20分ほどでおばあちゃんの家に着いた。
「こんにちは」呼び鈴を押しても誰も出てくれなかったから何度も「こんにちは」と
呼び続けている内に後ろから「優衣 どうしたの」
優しいおばあちゃんの声だった。
驚いた顔で私を見ていたが黙って何も聞かずに家の中へ入れてくれた。

黙ったままで私は部屋の中でしくしく泣いてた。
お母さんから電話が来た。私は電話には出ないとおばあちゃんに言って
押し入れの中に隠れようとした。
おばあちゃんが「優衣見せたい物がある驚かんでね」と前置きして
一枚の写真を私の前に置いた。
何だ私の写真じゃないのと思ったが違うと気づいた。
「優衣、お母さんの子供の頃の写真、他の写真はみんな燃してしもうて
おばあちゃんがこの1枚だけ隠しててね・・・

「お母さんを責めたりしないで欲しい」
「お母さんは この顔が嫌やと言って高校に東京へ入学前のに
整形手術をして今みたいな顔に成った」
私はおばあちゃんの言ってることが信じられなかった・・・
「優衣、お前もお母さんのように成れたらいいと思う」お母さんが嫌ってた顔
おばあちゃんは可愛いと思ってたからね

「優衣の顔おばあちゃん大好きや」
優しい言葉で言ってくれた。私は昔の母の写真を見直してみた。
何か嬉しくなっていた。母はこんな秘密抱えてるのかと可哀想になっていた。
「おばあちゃん、これまでの話、聞かなかったなかった事にするね」

「優衣ありがとう」おばあちゃんは嬉しそうだった。
おばあちゃんが私の髪をリボンで括ってくれた。鏡の私に始めて笑顔を見せたら
鏡の中の私も笑顔で返してくれました。                   おわり


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2011年06月28日

「王様」

夫はこの国の王に成った。人気はそこそこ有り私は王妃と呼ばれる立場になった。
結構良い待遇な生活に満足だった。
1年も経たない時期にこの国に大地震と大津波が起こり
王は窮地に立つ。

元々 脳天気な性格だったしね。
何を何から手を付けて良いのか分からず私に助けを求めてくるように成っていた。
私の指示通り王は動いてくれた。
「私の言うようにしていけばあなたはこの国の王で生涯君臨できる
生きている間はね」

実質この国の王は王妃である私の物だと情けなく うろたえる王を笑うようにさえ
成っていく。
国民とは侮れないが、羅針盤のように上手く動かせば
たわいもなく信じる事も知る。

王の側近は 思ってたよりも王がしたたかであることに驚き始めていた。
馬鹿だ!
王は お前達の想像した通りの駄目な王とも知らず
辞めてもらいたいと 王に直接言いに来るがその都度私に「どうしたらいい」と
泣き声で連絡してくる。
「何を言われようとも、怒鳴りつければいい」とだけ助言すると
王は「こんな話には乗れない」と相手をどう喝し部屋から追い出すを
繰り返している内 どう喝は快感だと思うようになっていった

私は こう思い始めてた。このままで行くと国民も側近達さえも
ひょっとして王には力があると勘違いもあり得ると。
そこで考えた。
私は十分王妃として楽しんだしね。王が何者かに殺害されれば私は悲劇の王妃として
この後の人生を優雅に生きられると。思いついたら実行あるのみが私という人間だった
私のベットの隣で、王は腹を膨らませていびきをかきながら眠っていた。
その王の肥った豚のような腕の静脈に注射器を刺した空気を入れ続けたら
あっけなく王は死んだ。注射痕を隠すために
王の腕を切り落とす、これで万事が終わった。私を疑う物は無かった。

王の死をみんなが望んでいたからだ 考えれば哀れな夫だったかも知れない。
国も新しい国王を迎え 皆で協力し合い良い国へと成っていった。
私は田舎暮らしの静かで優雅な生活を送りました。めでたし めでたし     おわり   
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2011年06月26日

「空」

真夏の太陽の照りつの中を日傘を差して汗をふきふき向かっている先は。
昨年亡くなった姉のお墓参りです。
幸薄かった姉だった、お人好しで、いつも人に騙され僅かしか無い年金さえも
嘘の話を信用してしまう貸して返して、もらっためしがなかったよね。
馬鹿と言われてたれど、騙す人が悪いと私は思うよ!

墓の前で姉の好きだった小さな菊の花と添え線香に火を付ける。良い匂いが暑さを忘れさせる。
墓石に水を掛けながら
話しかけた。「そっちはどう、好きな人達に会えた、もう騙されたらあかんよ」
「そっちでも騙されるなんて笑えないしね」

小さな墓石は 小柄な姉らしい。
ふと空を見上げる、真っ青な雲一つ無い夏空だった。
もしかして私をそこから見ているのですか?
歌にあったみたいにお墓の前に私はいないよって・・・
あれは歌だけのこと、あなたはヒンヤリとした墓石の中で涼しく暮らしていると
思います。一人が好きな人だったしね。
たまにそっと空を海のように泳いでくれると嬉しいなぁ・・・
サヨナラ、今度は秋に来ますから紅葉の木々の隙間からのぞく空も楽しんで   おしまい
posted by 桂のたまご at 16:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月24日

「涙」

「痛い」私は夜中に足の痛みに目が覚めた!「何これ」痛みは右足の親指に
出来た"魚の目"だった。
薬箱からバンドエイドを取り出して 取りあえず"魚の目"の患部に貼った。
朝になって仕事へ行く為に靴を履こうとしたけれど
痛くて履けず、職場には体調が悪いと言って休むことにした。

9時に成るのを待ち皮膚科へと出かけた。
病院まで行くのも大変だった。名前を呼ばれ医師に"魚の目"が痛いと告げる。
医師はじっと"魚の目"を見て言った。
「これは大きな"魚の目"だなぁ」痛み止めの薬を出しますから
一週間後に来てください。
取り除くにはまだ早過ぎますから次ぎ来られた時に
取りましょうと言われたので私は家まで又痛みをこらえて歩いた。

痛みは薬が聞いたのか次の日から仕事へも行けるようになっていた。
5日目の深夜 私は又酷い激痛に襲われ、目覚めた!
見ると"魚の目"の様子が変だった。
何か出てくるようで耐えられない痛みで気絶しそうだったが
ボコっと1aにも満たない小さな生き物がもがいてるのにビックリする

よく見ると魚だった。私は右足の親指から出血していることも忘れて
急いでお茶碗に水を入れ、小さな魚の目の魚を入れてやった。
魚はすいすいと元気よく泳いでる。
親指の痛みは全く無くなってた。て言うか「こんなの夢見てるんだ」と口にしたが親指には
穴があった。

私は誰にも言わずに 魚の目の魚と暮らし始めた。
毎日独りぼっちだった生活が一変していく。魚子って名前を付けた。
魚子は卵焼きが好きで 私は毎日魚子の為の卵焼きを焼いては
食べさせる日々を過ごす。
魚子は段々大きくなっていった。お茶碗では狭いと思い
水槽を買った。魚子は毎日卵焼きを食べてはどんどん大きくなっていく

魚子に私は指でつまんで卵焼きを食べさせていたがある日
いつものように卵焼きをやろうとして魚子におもいっきり指を噛まれてしまった。
「痛い」魚子を叱った「駄目じゃないの指かんじゃ駄目だよ」
でも、魚子は卵焼きと私の指の区別が付かずにかみ続けたので仕方なく
割り箸を使って食べさせることにした。

魚子はどんどんと成長し続け小さな水槽では飼えない大きさへと成っていた。
私はこのままでは魚子を飼い続けられないと怖くなってた。
考えたあげく 魚子を川に入れる事に決めて
大きなビニール袋に魚子を入れて深夜少し遠い川まで運んだ
そして・・・魚子に「ごめん」と言って川の中へ入れた。魚子は暗くてよく見えなかった
私は泣きながらその場を走って離れながら。手で涙を拭った時。妙な感触を感じた
懐中電灯で手のひらを照らしたら1a未満の魚が手のひらに何匹もいた。
ぎゃーと悲鳴を上げた!                 終り




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2011年06月09日

「塀の中」

日本社会は仕事のない人らで溢れてしまっていた。
おとなしい日本人にも政府への不満から 暴動が起きかねない状態になろうとしていた。
僕は 間もなく40才になろうとしていたが最近働いていた工場を首になって
無職者に成ってしまっていた

そこに 政府から新たな雇用策が発表された。
知能犯罪者に変わって無能者が 変わって刑務所に入るという新たな仕事だ
僕は迷うことなく応募した。
時給1万円 単純作業をして
知能犯の刑期まで塀の中で過ごすという
  
                  
知能犯は 今後2年間は国の為に特別な場所で優れた知能を生かすという。
僕は仕事もなく借金を抱えて美味しい仕事だと思った
何と運良く?採用されたのだ。
僕はこれは今までで一番楽な仕事と思った。

2年間で借金も返済できて 貯金も貯まると頭の中で
計算してはほくそ笑んでしまってた。やがて指定された場所へ向かうと
すでに車が待ってた。車に乗ると刑務所の中へ入っていった。
僕は 犯罪者として塀の中の住人と成っていった。
規則正しい生活、他の犯罪者とは俺は違うと言い聞かせながら
真面目に勤めを果たして2年があっという間に終わった 
思ってたよりも早かったなと間もなく出所出来る知らせを待ったが
一向に出所出来なかった。
僕は 刑務官に「所長さんに話があると会いたいと」言った。

刑務官は「分かった」と言って暫くして僕を所長室へと
案内してくれた。
「所長さん 約束の仕事の2年が過ぎたので出してください」そう言うと
所長さんは 普通に驚くことを僕に言った・・・

「君の変わりに成った知能犯が殺人を犯してしまってね
死刑判決がきょう高裁で下ったんだよ」
それはどう言う事かと僕は恐る恐る聞いた、
「そう残念だが君はきょうから死刑囚に成った」
僕は 独房に入れられ 幾ら叫んでも誰の声なくただ死刑執行の日を震えながら
待つだけの毎日と成ってしまった。「俺は彼奴じゃない!助けてくれ・・・」 おわり
posted by 桂のたまご at 14:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月04日

悪口

悪口は言われたくない

でも 悪口の数だけ 私の不幸が減りますから

どうぞ 誰かさん たんと悪口言っておくれ

お陰様で身体の中の汚れが可なり落ちてきている気がする

悪口を言ってくれる誰かさん 

ありがとう お返しに 悪口・・・

出来ません だからあなたもお止めなさいまし

誰かさんにとって 何の徳にも成りませんもの
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2011年05月29日

「無音」19

「矢島いつまで下手な作文を読んでるんだよ」「1ページだけで次へ行けよ」
「無音」又おばちゃんの作文か、
「小説だと本人は思ってて送って来る。自分の書いてる物が
とんでもない書き物だって言ってやりたいよ」

編集長はイライラしながら矢島に言った。
「廃棄処分のボックスに直ぐに入れて 次の小説に掛かれ!」
毎日多くの小説が送られてくる
矢島の仕事は その中からダイヤの一粒を発見するのが仕事なのだ。

大抵の物は1ページの数行で廃棄処分の中へ捨てられていく
しかし 矢島は この「無音」の送り主に対して
特別な感情を持ってた。
こんなに下手すぎる小説も滅多にないからだ。
いつか 編集者からあなたの今回の小説を本にしたいなんて
マジで思ってるのだろうかと、編集長の言ったように
おばちゃんに「あんたのは小説やない、もう書くのを止めなさい」と
どうにも成らない程、支離滅裂な文面だし・・・
しかし矢島はボックスの中に入れなかった。
矢島は原稿を鞄に入れて会社を出た。外は暗かった
この生活が矢島の毎日の繰り返しだった
途中 この時間に良く会うホームレスがいて、
矢島はそのホームレスに「無音」を渡そうと決めていた。
いた「お〜い」ホームレスの男が矢島に気づくと近寄って来た
「おっちゃん、身体は大丈夫かい」
「何とか大丈夫や!」暗がりの中では健康なのかどうか分かる訳もない
それでも 元気やと答えが返ってくる事が矢島には嬉しい。

「おっちゃん、小説読むか」いきなり言った
「小説 そんなもん長いこと読んでないがな」矢島は鞄から「無音」の
原稿を取り出しておっちゃんに渡した。
「読んでくれんか 感想も聞かしてくれ」
おっちゃんはビックリした表情で「難しい事はでけへん・・・」
「ええんや、読んでくれたらお礼に弁当何てどないや」
おっちゃんはお弁当に反応した。矢島はコンビニへ入って
弁当とお茶をおっちゃんに手渡した。
「分かった、これを読んだらええんやな」「頼む」
矢島は結局「無音」を別の形で捨てた。おっちゃんが読む事は無いだろう・・・
それでも廃棄処分ボックスよりは
捨て場所としておっちゃんで良かったと思いながら
駅へと急ぎ足で歩いていった。                     終わり
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2011年05月23日

「無音」18

お母さん あなたは二人の夫を殺害されてしまうなんてそんな事ってあるの
私は 大阪の母の知り合いの家を出て
何処へ向かって歩いているかさえ分からず、放心状態のようだった。

Tもこの事はきっと知っているだろう、私よりもと考えると
気持ちが悪くなって道ばたにしゃがんでしまってた。
誰も 私を気遣う様子がない事が返って助かった。

このまま大阪に残ってどうしょうかと考えても頭の中は空っぽに成ってると
感じてて、どうしたらいいのか途方にくれていた。
ふと、刑事さんの事を思いだして
メールを打っていた。
母のことを知らべに今大阪にいると、

刑事さんから直ぐに返信のメールが来た。私は今滋賀県の大津にいます
お母さんは大津であなたのお父さんと出会い暮らしいたことが分かってね。
どうですか、大阪にいるなら大津まで来ませんか。
お母さんのこと知りたいのなら良い機会ですよ
大津駅で待ってますから・・・電車の時間を教えてください会いましょう。
今回の事件の真相にも関係するあることが分かったことも
お知らせしたいですから、大丈夫ですか?
一人で悩まないで年寄りの刑事ですが頼ってください。
Tさんの事もお教えできますよ。私は迷うことなく大津への電車に乗った   続く
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2011年05月11日

{ 「無音」17

朝早くに大阪へ新幹線で向かうことにした。
東京駅に来たのは久しぶりだなと過ぎ去った思い出が蘇る!
子供の頃には父や母と妹そして私の四人で
東京駅から良く旅行へ行ったなと思いだしたからだ。

大阪には一度も行ったことはなかったな、
母とTの事を知るために大阪行きの新幹線に初めて乗る。
窓に私の不安そうな顔が見える。
何も真相にたどり着けないかも知れないのにじっとしては居られない
Tは 私が大阪へ向かうこともきっと知っているのだろうと
思う。

まあ 知られていたって別に構う物かとも挑戦的な自分に驚きもする。
そんな事を思ってるうちに早くも大阪に到着した。
母の知人宅へ直行した。
大阪駅からタクシーを拾い住所を告げるとそんなに遠くないところで
タクシーは止まった。
喫茶店をしていて直ぐに分かった。

私が店内に入ると女性が待っていて笑顔で迎えてくれた。
「ようこそ」その人はメモ用紙にそう書いてくれた。母よりも年は上に感じた。
「お母さん達の事は大変でしたね」と涙ぐみ私の手を両手で握りしめてくれた。
私は大阪での母の暮らしを教えて欲しいと書いた

その人は、悲しげな表情を浮かべてメモに書かれる真実に驚いた。
「お母さんは可哀想な人やった、結婚して女の子も出来て幸せに暮らしていた5年後に
突然ご主人が殺されて、今回の事はそんなこともあったんで
驚きました」

女の子はTだと思った。(殺されたって犯人は捕まったんですか)と
書いた。「それが分からんじまいです」(母は女の子とその後どうしていたんです)
「お母さんは、ホステスに成り親子で頑張ってた」
「1年ほどしてからかな、お客の1人と同棲が始まってね、女の子がその男に
暴力を受けて私の所へ顔に青あざを付けてよう逃げてきてね・・・
「それから暫くしてお母さんは、私にも言わずに大阪から居なくなったんです」そしたら
突然東京で結婚して幸せに暮らしてると手紙が来たときは
嬉しくてね。それやのに・・・あんな殺され方をするなんて、新聞やニュースで知って
何でと思いました」

てっきり、
「あの子も一緒にと思ってましたからね、
今回あなたから、あの子が施設に入ってたと聞かされて考えられんかったんです」
あの後の2年間の事は何も知らんのです」
「犯人が同一の人やろかとさえ思ってしまいました。警察にはそう言って
話しておきましたけどね」警察が大阪まで聞き取りに来てたことを私はこの時知る。
私はTと言う女の子の事を聞いてみたかったが聞けなかった
何故なのかは分からなかった 分からなかった・・・
                                  続く

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2011年04月23日

「無音」16

Tの家に行ってから私は塞がちな日が続いていた。
母の遺影の前で語りかける。「私も殺されたかったよ」

お母さんは 犯人を知っているでしょ。Tなの 4年も前から
Tと会っていたのですか・・・

Tは4年前から手話を習いだしたって気持ち悪く成ったよ。
本当にTを捨ててまでお母さんは自分だけの幸せを望んだりしたの。私が知る限り
そんな事をする人じゃないと思ってるよ。
犯人がTなら、私だけを殺さなかった訳があるはずだよね。

手話を習ってたって事って生かしてじわじわと私に母がどれだけ酷い人
だったかを 知って欲しいから・・・
分からない、
このままでは私は前を向いて生きていけない。
お母さんとTの8年間の生活がどんなだったの 私は母の遺影の笑顔に話しかけながら
調べてみようと思ってた。

どんな悲しい真実が分かったとしてもそこから始めなければ
解決は無いと判断したからだ。
私は 仕事の無い日はを全てこの事についやする事に決めた。

手がかりは、母に届いてた年賀状。
母に届いてた年賀状など見たこともなかった。どんな関係なのか初めに
大阪の住所の人から訪ねることにした。年賀状には夫婦で名前が書かれてた。
取りあえず手紙を出した。理由も書いた。
暫くして 返事が来た。「いつでも来てください知っていることは
何でもお話ししますよ」                       続く






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2011年04月05日

「無音」15

Tは 私のために手作りのご馳走を用意していてくれてた。
2匹の犬を我が子のように扱い、私に抱くように進めてきたが 私は動物が苦手だった
例え小型犬であっても
どう接して良いかが分からなかったからだ。

なのにTは何の躊躇もなく私に犬を抱いてやってと渡し楽しそうに笑った。
生まれて初めて犬の感触、柔らかいんだと思った。顔をぺろぺろとなめられ
やはり手から犬を放した。
Tは、私と手話で話したいから手話の学校へ通い始めたと
手話で会話してきた。
(駄目)私は、Tへの警戒心を奪われそうになってると気づき
呼吸を飲み込んで 冷静な自分を取り戻そうと思った。

Tの手話はそれ成りに上手だなと認めざるを得なかった。
母との別れはTにどのような傷を受けて来たのか知りたいと考えていたが
今はまだ聞くには早すぎると判断して たわいない会話をと思っていたが
突然Tの方から 母を怨んでずっと生きてきたと
話してきた。それにしても手話が習い始めじゃないと思い始めてた。
私は、手話は最近なのと聞いてみた。

分かった、Tは笑いながら 母の事調べて家も何度か観に行っていたと
そしてKが耳が聞こえないことが分かったからそうね
4年も前から習ってたの。何で今習い始めたなんて嘘言ったのよと聞くと
Kに気を遣っただけよ。嫌な嘘じゃないでしょ。
こうして手話で会話できるなんて期待してなかったのに嬉しい!
止めて、嬉しい何て あなたは母が殺されたこと喜んでるみたいじゃないの。
私は怒りから手話が早くなってた。普通の人なら
この早さの手話だと何言ってるのかが分からないはずなのにTは
何の事も無く、私の手話を読み取れていた。私は母への愛情を受けなかったからKのように
・・・母が悪いのよ!

K私が母を殺した犯人だなんてまさか思ってる。
私は とっさに返事が返せなかった。
そうなの、犯人かもってだから今日も会いに来た何か手がかりに成る物を
探しに(笑)ごめん違うよね、嬉しいなんて不謹慎だったわ許して。
来るんじゃなかった、Tを甘く見すぎていた 悔しさで居たたまれず
私帰ります。そう言うと立ち上がり急いでTの玄関の扉を開けた瞬間
何かにぶつかって転倒してしまった。Tと家へ来たあの暗い少年だった。
Tが 大丈夫と私の手を取って
起こそうとしてくれたが 私はすっと立ち上がると さようならと言って
小走りにTの家から出来るだけ離れたいと。
後悔と惨めさが交互に私を押しつぶすのだった        続く


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2011年03月09日

「無音」14

彼女からのメールはあれ以来、来なくなった。もう会うことも無いだろうと
私は携帯から彼女の登録を消した。
母と例え血のつながりがある姉、そんな感情は微塵も会っても
思わなかったし、

会った事でむしろ関わりを持ちたくないと気持ちが拒絶した。
職場では、半年が経ち事件の事で私に特別な気遣いも薄れていき、
私は良かったと感じてる。
犯人を自分の力で探そうとドラマのように思ったが

現実はドラマとは違って
簡単ではなかったが、警察からの報告も月に一度だけ刑事さんが
報告に来る。それも、事件の担当していた刑事さんが移動に成って
新たに担当になった刑事さんが
「手がかりない」と仏壇に手を合わせに来るだけとなっていた。

私が犯人に辿り着ける事なんてあるのだろうかと
あきらめる気持ちにも成ったが、私は残酷な殺人犯の顔だけは一日も早く
見たい。
その思いは日に日に増していくのでした。

事件を担当していた刑事さんが「怨恨の可能性は捨てきれない。
一人でも家族と関わってた人から調べる。
根気が要るので時間を下さい」と言っていた言葉を思い出してはっとした。
彼女は事件が起きて現れた関係者に成るじゃないと気付いた。
しまった。消去するんじゃなかった。
母の残したメモに番号があった事を思い出すと
私は 迷う事無く友達に頼み電話をしてもら事にした。

彼女の番号を消去したことが知られたくないから私は新たな携帯に買い換えた。
友達には適当な言い訳をしてもらった。
私から彼女にメールを入れた、「疲れていて返事も出来なかった事を
お詫びします。出来ればTさんの家へ行っても良いですか?Tって使うことは無い筈だったのに・・
メールは直ぐに返ってきた。「K是非来てください」住所が書き込まれていた。
千代田区に彼女の家はあった。
自然が東京では残っている数少ない場所で
彼女の家はその中でも一段と自然に囲まれた立派な家。戸惑う・・・

彼女はピンクのフリルの付いた少女のような服で私を迎えてくれた。
これまで2度会った彼女とは別人?
2匹小型犬を抱きかかえて満面の笑み。私は逆に緊張が頂点に達してる!
彼女との闘いのこれが始まりでした。                続く
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2011年03月02日

「無音」13

ランシャンの前に立った。お母さんが美味しいイタリアンの店だと言って
家族の誕生日とか、私や妹の入学祝いの時も
決まってランシャンで食事が当たり前になってた。
私と妹は、ランシャンかと、不満も母に愚痴った事を思い出す。

父は母のすることには何も言わない人だった。
「ここは 美味しいからなぁ」
いつも母の味方してた父の優しい顔が今も笑って私の側に居る感じがした。
彼女を探して店を見渡す。

あ!彼女が手招きしている場所は私達家族が予約にしていた席だったから
妙な気持ちに成る。
父の顔も消えてしまった。

彼女は携帯で会話しましょうとメールをしてきた。
何をメールすれば良いのか戸惑い私は彼女からのメールを待った。
変な感じ、
メールが来た。(まず注文しませんか)
私はメニューの中から指で食べたいものを差した。
彼女がウエイトレスに注文してくれた。

暫くしてテーブルに並べられた料理を食べながら息苦しい空気に
食べ物が喉でつまりそうだった。
緊張している私に、メールで彼女が言ってきた
(これから時々ここで食事したい駄目かな)
私はメールで(時々なら)嘘付いた。どうしてか嘘付いた。

(嬉しい、お互い何て言い合う)
私は名前で書き込まれるのは嫌だったので(Kと打ってください)
彼女から(じゃあK、それなら私はTで宜しくね)
宜しくない、お互い気まずさがありありでメールの会話もなく
別れた。
短い時間だったはずなのに凄く疲れた。彼女の座っていた椅子は母が決まって
座っていた椅子だった事も私を彼女に対して嫌悪感を感じたのも
確かだった。


彼女の事をTと呼ぶなんて、身震いがして、勿論私のことをK何て駄目だめ
お母さん、お母さんの過去の人生には
もう入りません。
彼女の事は私達家族の中に入ってもらいたくない!
メールで断ろうと決めたと同時に、メールが彼女から来た(K今日はありがとう
緊張した・・・今度 会える日を楽しみに待ってます)Tより。
嫌だ!私の事Kって打ってきた。私はメールを返せなかった。          続く

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2011年02月26日

「無音」12

事件から半年があっという間に経ったが、犯人に繋がる情報は入って来ない。
たまに刑事が報告へやって来るだけとなっていた。
マスコミも、事件当初のようには騒ぐこともなく
このまま忘れ去られていくんだと自覚する。


仕事から帰って電気の付いてない家嫌いで直ぐに家に入ると部屋中の電気を付けまくる
この作業が最もきつく応える。時々だけど友達が心配してくれて
晩ご飯を持っては訪ねてくれる。嬉しい、ありがたい、
でも、帰ってしまった後の一人の寂しさは残酷な物でもあった。
明日は成人式だなと気づいた。タンスの中から晴れ着を出したが(行かない)
眠れない夜を過ごし朝になっても
私は布団の中にもぐたまま、お昼過ぎになってやっと

起き上がると歯を磨き、カップラーメンのお湯をポットで沸かしていた時
携帯のメールが来た。誰から、あ 彼女からだ・・・
「お元気ですか、あれからあなたの事が気になってて、もし今日時間が
有れば外で会いませんか。
食事でも一緒にしたいのです。母のこともお聞きしたいし」

「私の行きつけのレストラン(ランシャン)で、良かったらメール下さい」
ランシャン、母の好きだった店じゃないの。
こんな偶然が有る物かとその時は何も知らずに思ってた。
迷わなかった メールを直ぐに彼女に返し
会う約束をした。

久しぶりに気持ちが騒いでた。彼女への興味も有り話をしてみたいとも
思たからだ。一番お気に入りの服を着て家を出た。
約束の時間には早すぎるが、久しぶりの渋谷の街を
歩ける。彼女からのメールはとてもありがたかった。
成人式だから晴れ着姿の人とすれ違う。急に涙が出てしまい困ってしまう。それは・・・
(お母さん、きっとみんなで私の成人式に行きランシャンで
食事してたよね)残念だよ悔しいよ!
運命かな、お母さんの別れた義理の姉になる人とこれからランシャンで食事してくるよ。
お母さんの過去の人生に行ってきます。

                                   続く





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2011年02月20日

「無音」11

少年をいたぶる楽しさに彼女は何を求めているのか?
一人部屋にいる彼女は、化粧もしないシミの出始めている鏡の中の
自分を睨み付けてる。
人には出会わない方が良かったことが有るとおもう。

彼女もそんな一人だ、
8歳で自分を捨てて行った母親の事は忘れたい人だったからだ。
親戚の家で随分いじめにあい、15歳で おきまりのように
非行の道に入り シンナーも薬も経験する。そんな中で突然現れた父
初めて見る父親だった。

父は、何も聞かずに彼女を引き取ってくれた。
そこには、幸せな家族があり、彼女を暖かく迎え入れてくれたのだ。
彼女は父とはどうしても距離のような物があって
心を開けずに暮らすが
父の妻とは不思議と気があった。

それなりの普通の女性として社会に出ることも出来ていき
知り合った男性と最初の結婚をした。2年続いた。
子供は出来ずにいたが幸せだと彼女なりに思っていたのに・・・
ある日突然に 「頼む離婚してくれ」と夫が頭を下げてきた。
付き合ってる女性に子供が出来たからが理由だった。彼女はあっさりと
離婚に応じた。

泣きわめけば良かったのに出来ない自分がいて気丈な対応を取った。
感情が動かない、何なのよ!別れたくない。怒りと未練が爆発すんでんなのに彼女は
押さえ込んでしまったのだ。離婚成立。彼女は父に、母の事を初めて聞く。
「お前の母は感情という物が無い女だった」と父の言葉
同類じゃないの、不思議に嫌な気がしなかった。むしろ嬉しく思った
母と繋がってる気がして・・・

彼女は一人暮らしをしながら時々父の家に食事に帰るという
生活が快適に成っていく。
結婚はしない女に成ってやろうと 気楽が良いと思ってた。
そんなある日、あ!「母だ」
20年ぶりに見る母だった。記憶という物は凄いと思った。
確信が有った母だという。
4人の家族は幸せそうに食事をしていた。何かが崩れていく音もなく
                                 続く
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2011年02月13日

「無音」10

少年の部屋の中は、12歳の中学生とは思えない 整然としているゴミの無い
生活感がそこには無かった。
少年は彼女の息子じゃなく 離婚した夫と妻の子。

彼女は 少年に「あんたさ母親に見捨てられたんだからね」とその頃
母恋しさに彼女を睨んでた
まだ5歳の少年に彼女は意地悪く言ったという
「おばさんも母に捨てられたから、あんたと同じだ」
似たものどうしたね仲良くやっていこう。

お父さんの前だけ「お母さん」って言ったらいいよ。
条件あるけどね。
そんな目でおばさんを見ない、捨てた母親の事は忘れるいいね。
二人はこんな状態のまま7年間暮らしてきた。

中学に成った時、父が少年に携帯電話を持たせてくれた。
嬉しかった。
少年は部屋の中で実母に連絡した。
母と子はずっと繋がっていた外で度々会ってた。
彼女に知られないように十分気を付けながら・・・・

母は携帯に友達の名前で番号登録したほうがあの人に見られても
安心だからそうするようにと言われたとおりにしておいた。
少年は彼女から暴力を受けていたが決して母には打ち明けられずに一人
悩んでいた。
それでも 少年は母に言った。

「母さん、僕を引き取れない」その時は彼女の暴力がエスカレートしてきて
このままだと、彼女に殺されると思ったからだった。
しかし、「ごめん」母は泣いて 「このまま会うだけでお願い」と母の言葉で
あきらめる。
少年は、手にカッターを使って傷を付け始める
父に助けを求めたいと思ったからだ。
毎日少しずつ傷を増やしていった。(お願い父さん気づいて)と
願った。気づいたのは父ではなく 彼女だった。
父とは 会わせないように食事も一緒に出来なくしてきた。

少年がお風呂に入っていた時だった
彼女が突然、裸で入ってきた。少年は呆然と彼女の裸を
見てしまった。
「父さんに私の事を知らせるつもりなの」
少年は、彼女の裸を見た衝撃が大きくて
心臓がどくどくと鳴る音を悲しいほどに感じてしまっていた。

そんな少年の心を知ってか少年に自分の裸体を絵に描いてとせがむようになる。
暴力よりも 少年には絶えられない物と成っていく・・・
「あんた、あげても良いんだよ、してみたいだろう」
「出て行け!」少年は自分が彼女の誘惑から必死で逃げるしか無い
日々に疲れ果てていくのだった・・・                 続く



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2011年02月04日

「無音」9

私はあの親子の事があれ以来になり出していたが。新しい情報もなく
事件の解決は出来るんだろうかと思っている内に
早いものです
49日法要がやって来た。
青森からは叔母夫婦と甥の二人も来てくれて嬉しかった。

母の過去の事や娘がいたことも、ここへその娘が息子と線香を上げに来た事も
叔母達には話さなかった。話せなかったが本音・・・
これから先の話も出た、青森へ帰って来ればと言ってくれた。
嬉しかったが、私はここをまだ離れる気がない事を納得して貰った。

父の昔話、母の話、妹の事など話したが・・・犯人の事が未だに
不明の為か、悲しい49日法要と成った。
次の日、叔母家族は仕事もあり、私を心配しながら帰って行きました。
独りぼっちを実感した日だった。

ここは閑静な住宅地、彼女は会社役員の夫と少年の三人で優雅な生活をしていた。
夫は仕事人間、彼女の母と別れてからの人生がどうだったか
夫にさえも何も話してないようだった。
少年は中学2年。無口でも友達は何人かはいたが
積極的に友達を誘って遊びに行く感じの子では無いようだった。

夫は朝食も一人で食べ仕事に出かけていく、「行ってらっしゃい」彼女の嬉しそうな
顔。彼女は少年のために朝食を作る
「出来たよ」と少年を呼ぶ。お互い黙ったまま食べる
奇妙な光景だ。「ごちそうさま」と言うと又自分の部屋へ戻る。
学校へ行くまでの時間を一人部屋の中で待つ
彼女を部屋に入れない鍵を掛けて学校へ・・・
とにかく彼女との仲は普通ではないようだ、彼女は異常なほどの綺麗好きで
キッチンの回りを、歯ブラシを使い細かい箇所もピカピカに磨いてる。
そこは私の母に遺伝していると思われた。

少年が学校から帰宅すると部屋に入る前に彼女が声を掛けてきた。
「どうだった、あの人が母さんの義理の妹似てた」「よく見なかったから
分からん」そう言うと部屋に入ると鍵を掛ける音が冷たく廊下に響いてた。
変な親子です。私の知らないこの親子の秘密が
事件に繋がっていた事を私は知らなかった。                  続く

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2011年02月01日

「無音」8

どんな感情に成るのか自分で想像していたのに、玄関先に立っている
彼女と少年を見ても不思議に感情的に成らなかった。
それは、それなりに悲しいとも感じる、
血の繋がっている姉と言うのに・・・

両親と妹の骨壺の前で、女性が少年と共にお線香を上げ手を合わせ
ハンカチで彼女は目頭を拭って
母に向かって話しかけていた。少年はきっと彼女の息子だろう。
私は彼女よりも少年に自然と目がいっていた。

彼女が過去の母の娘だったことに抵抗している。
母にも少しも似てない顔じゃないのと思い早くこの時が過ぎれば良いと
不機嫌に成っていくのが嫌でもあった。
私が耳が聞こえないことも知っていて ノートを持ってきた
そのノートに 初めて会えたことは嬉しい
母がまさか殺害された事でが残念ですが・・・

母に息子を会わせてあげられなかった事も悔やんでると
私は聞いてみた。
あなたは母とは会っていたのでしょうか?
何故私の携帯にあなたの番号を登録したのですか?これは母からと
メールで書かれてましたが知りたいです。

母とは一二度しか会ってません。
たまたまその時に携帯の番号を教えあっただけ、
妹がいると聞かされたので、いつか連絡する事も有るかもしれないからと
母から言い出した事。
重い、息苦しさに絶えられなくなりそうだった。

タイミング良く刑事さんが、お母さんがこんな事件に巻き込まれた何かを知らないかと
私にも分かるように手帳に書いて私を気遣ってくれるのが
嬉しかった。
彼女は、全く知らないと答える。
刑事さんと彼女が話している間、とにかく少年は顔を一度も上げないことが
気になり始めていく。

何気なく少年の手を見てしまった。両手に無数の傷があった
少年は私の視線に驚いたのか、背中に両手を隠した。
その時、少年の顔がはっきりと見えた。青白い痩せた顔・・・
やがて、彼女は、又会いたいですがとノートに書いたので
心にもなかったのに、私も会いたいですと書いてしまってた。
こうして二人は帰っていった。少年の手の傷が妙にいつまでも気になっていった。 続く
posted by 桂のたまご at 09:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月29日

「無音」7

私は、あれっと気づいた。何で私の携帯に相手の名前が出たのかと。
登録がされてた、そんな筈がない
私は登録されている名前を出してみたら・・・
あった!私はこの女性の事は知らない、登録もした憶えもなかった。

誰が 母だろうか?分からない、メールアドレスも登録してあるに違いない
思った通りに登録がされている。
女性の名前だからと言ってもメールでは確認が出来ない。
やはり誰かの助けがいると思った。

駄目、こんな怖いことに友達を巻き込んじゃいけないと 考えた末に
あの年配の刑事さんに相談する事にした。
刑事さんが 連絡してから直ぐに一人で来てくれた。
私はメールの苦手な刑事さんの事を思い
手帳での会話をする事にした。刑事さんは早速携帯電話を掛けてくれた。

「女性が出た」と教えてくれた、私は即座に女性に
母との関係を聞いてみて欲しいと書いた。
刑事さんと女性の会話が続いて、私はもどかしく待つしかなかった。
電話は終わった。
手帳に刑事さんが書かいた文字に愕然とした。
女性は母の娘だと言っている。

母か殺されたこともニュースで知りました。
妹が二人いて どっちの携帯番号を母が教えてくれて
登録は母がしてくれた、一度も電話もメールもしてないとも
言ってる。
母が父と結婚前に未婚のまま産んだ娘で、
私に会いたいです、 良かったらメールして下さいと言ってる。

戸惑う、そんな姉がいたという話を 母から一度も聞いてなく
突然、母の娘だと言われても・・・
刑事さんは、一人で行動は止めなさいよ。
犯人の手がかりが無く困ってた、この情報が犯人に繋がるかは分からんがね。
出来るなら女性に会いたいと刑事さんが言ってきた。

血の繋がってる姉なら会うべきだと思ったが まだ半信半疑の気持ちがあった
しかし、母か誰かが私の携帯にこの女性を登録したと言うことは
何か理由があるからだろう。迷ってられない私は携帯を手にしてた
出来れば家に来て下さいませんかとメールを送った。
直ぐにメールが返ってきた。今度の日曜にそっちへ行かせていただきます。
母と妹へお線香をあげさせて下さい。
あなたに会えることも嬉しいです。と・・・

落ち着かない数日を私は過ごしながら、どんな女性かと想像したり、
父はこの事を知って母と結婚したのだろうか・・・
事件の犯人の事は 考えない様に成っていた。
そして、会う日が来た 私と刑事さんの前に現れた母の娘だという女性は
学生服を着た男の子と玄関に立っていた。              続く              





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2011年01月26日

「無音」6

犯人は きっと母に酷い仕打ちをしたかった人物に違いない。
私は、綺麗好きだった母のキッチンに行った。
母の下手だけど楽しそうな鼻歌が聞こえて来る 私はここは母の城だったと
思う、もしも 私達に秘密があったとすれば

この城にあると確信した。母とのメール会話を
出して見直す事にした。
これだ!「へそくりの隠し場所を見つけたら
お小遣い挙げるよ」とメールしてきたので

必死であっちこっちと探し回ったのに結局時間オーバーで
母の勝ちだった、へそくりの隠し場所は。
使ってるラップの芯の中に輪ゴムで止められ入ってた。
お金の事を

使っているラップの芯の中を調べる人はいないときっとその中に秘密も・・・
後片付けをおばさんがしていてくれたから
ラップの置き場所が分からなかったが
大抵そうは違う場所では無いだろうと水回りの扉を片っ端から
開けてみる。
「あ!これかな」使われてるラップ発見!

ラップの箱からラップだけを取り出す。恐る恐るラップの芯を見た
「あった!やっぱり」
お金は輪ゴムで止められ 私は輪ゴムを取り丸まったお札を開いてみたら
四つ折りのメモが私の足元に落ちてきた。
メモには数字が書いてあったが これは何の数字なの
こんなところに隠していたと言うことは 事件と何か関わりのある物なの

私は数字を携帯で押してみた。鳴ってる、相手は女性私の知らない名前だった。
しかし、私には聞くことが出来ない直ぐに携帯を切った。
母の携帯は無くなったまま、犯人が持ち去ったに違いない。この番号の相手が
何らかの事情を知ってるに違いないと。
しかし、どうすれば良いの
誰かの助けが無ければ無理なのかな、 でも・・・     続く
posted by 桂のたまご at 10:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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