2009年08月16日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第10回

僕は汗びっしょりで目が覚めた。横には妻がぐっすりと
眠っていた。(夢か・・・)そう思うと僕はほっとしていた。
しかし嫌な感じが肩に感じて(まさかあいつが)

布団から出ると僕は洗面所に向かい鏡を恐る恐る見た。
忘れていた小人爺さんがあぐらをかいて肩に
にんまりしながら僕を見ている。(待てよ、これかも夢か)

「夢じゃないぜす」聞き覚えのあるしゃがれ声に
現実なんだとがっかりした。「おい、お前にはもう何の用も
無いからな」僕は小人爺さんをにらみながら
強く言ってやった。
「さっきの夢はお前が見させたんだな、そうに違いないだろう」
「僕は今幸せに暮らしてる邪魔はさせないからな」
僕は必死で小人爺さんに叫んでいた。

「違いやす、誤解でやんすよ」そう言うと話をし始めだした。
「あっしはあんたの幸せに文句なんてこれっぽっちも
無いです。邪魔なんて思われるとは情けない」
小人爺さんが泣いているのかと僕は思った。
「泣く訳ねえっすよ」そうだった、僕の心が読めるんだったと
思い出した。「誰よりもあんたの幸せを喜んでるのは
俺様ですから」僕は言い返した。
「あんたが現れない事が僕には何よりなんだよ

何んで又現れたんだ」僕のその言葉を聞くと小人爺さんは
僕の肩からひらりと洗面所の台へと飛び移って僕の顔を
正面から見ながら言った。「俺様はずっと、あんたの肩に
いたのに、俺様だって結婚祝いぐらい
言いたくてやんす」僕は腹が立って思わず目の前の
小人爺さんをわしづかみにした。         つづく
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2009年08月07日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第9回

僕は先月結婚した。妻は同じ職場で働いていた。
真面目で決して美人とは言えないが
思いやりの有る女性。僕には妻といる時間が
好きだった。いつも僕の話を黙って笑顔で聞いてくれる

28歳に成ったこともあり僕はプロホーズをした。
妻は「こんな私で良かったら」と、結婚へと成った。
大恋愛とは言えないがこれが普通だと僕は思った。映画の
世界とは違う物だと・・・・

妻は工場の取引先の企業で事務員として働いていた。
あのバブル崩壊が無かったら妻とは会うことも結婚も
無かったと思う。企業の倒産がきっかけで
工場で事務員として来たのだからこれが運命と言うこと
だろうと僕は思った。

工場はバブルの影響を受けなかった。繊細な物を
作っていたために注文には困らなかったからだった。
僕は運が有ったと思ってた。
職場では仕事仲間も出来て毎日が普通に幸せだった。
工場の近くのアパートが新居となり
仕事が終わると僕はまっすぐに妻の待つアパートに
自転車で帰るというのが日課に成っていた。

小人爺さんの事など遠い幻と消えていたはずだった・・・
あの日が来るまでは。
結婚して2年が瞬く間に経った有る夕方アパートの部屋に帰る
「ただいま」と、僕はいつも通りに部屋に
入った、妻の姿が見えない。こんな事は初めての事だった
何時間経っても妻は帰ってこない。
時計は深夜12時を回っていた。「どうしよう」僕は仕方なく
妻の実家に電話を入れた。

電話口には妻の母親が出て、思いもよらない事を言われた
「娘はそちらには戻りません。離婚を考えていますので
改めて明日私達がアパートへ伺いますから」と、
僕には何が何だか訳が分からなかった。
幸せだった結婚生活が終わる?そんな事が有るわけ無い
僕は考えたが思い当たる事が浮かばず
不安が真夜中のアパートの部屋を覆っていた。     つづく
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2009年08月06日

「入り江」ドキュメンタリー映画

米のダイバーが立ち入り禁止とされる入り江に侵入して、
海岸に数台のカメラを設置して
漁師が大量のイルカを岸辺に追い込みモリで
突き海が血で真っ赤に染まるシーンで終わる。まさに

日本人がいかに野蛮な民族であたかも有るように
ドキュメンタリー映画が作られた。
悪意に満ちた制作に怒りを覚えます。

この「入り江」を見た米人達はみんな涙したという。
はっきり言いたいです。
日本人は野蛮人では決して有りません。
一部分を取り上げて世界中に「入り江」を通して日本人を
野蛮人扱いですか、この映画を作った人こそ
有る意味野蛮な行為とは言えませんか。

核兵器を世界一保有している国アメリカこそ
野蛮人とは思わないなんて許せない気持ちです。
広島に原爆投下の日をわざわざ選んで上映したことにも
意図的な何かが感じられて不愉快でした。

                 米人が分からん
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2009年07月29日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか 」第8回

僕は施設で初めての朝ごはんを食べた。
しかし、肩に小人爺さんを感じて美味しく食べることが出来な
かった。誰かにあの少女のように小人爺さんに
気付かれたらどうしょうとそればかりが気に成っていたからだ。

寮長らしき人が皆に言った。「きょう1日は二度とは来ない
だからこそ大事に過しなさい」そんな言葉を
皆は神妙な面持ちで聞いていた。

「君はこの後私の部屋へ来てくれるかな」僕にそういって
から、部屋で待ってる様に言われた、僕は部屋に戻ると
すぐさま鏡の前に座った。
「あれ!肩の上には小人爺さんがいない」どうせ隠れてて
又嬉しそうに笑って現れるに決まってるそう思ってた。
寮長さんが部屋へ来るようにといったので手で
肩を触りながら廊下を歩き寮長さんの部屋に
入った。

僕は部屋の中に鏡がないかと瞬時に目で探してた
なかった(良かった)
「学校の事だが君の場合3年の2学期からの夜間学級へ
行っててもらう事になってるからね。
どっちにしてもこの施設は高校卒業までなんだから
しっかり勉強して就職出来る様にがんばるしかない、
昼間はここの工場で働いてもらう事に成る」といった、お給料は
施設を出る時に渡す事が決まりに成っているので
承知するようにと僕を工場へと連れて行った。

鉄の臭いがして嫌いではなかった。
僕は簡単な仕事から始めた、仕事をするのは初めてだったので
何だか楽しいと思ってた。お昼に成るまで
小人爺さんのことをすっかり忘れてしまってた。
夜には学校へ施設の数人と一緒に車で送ってもらい
言われたとおり勉強をかんばっるそんな毎日を送っていた。

あの日以来小人爺さんは一度も姿を見せなくなっていた
僕は期待してた(僕のこと嫌いに成ってくれたんだ)と
そして学校も無事に卒業し就職も
ある都市の町工場で働く事に決まった。
僕の頭の隅には小人爺さんを感じない日は無かったものの
年月が10年目を過ぎた頃にはほとんどといっていいほど
小人爺さんは過去の存在へとなっていってた。
僕は28歳に成った               つづく

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2009年07月22日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第7回

「出て行け、出て行け、出て行〜け〜」僕は渾身の力で
叫んでいた。廊下を早足でこっちに向ってくる音がした
ノックもなくいきなり戸が開けられ「何時だと思ってるの
静かにして」とおばさんが怖い顔して言った。

僕は黙ってうな垂れた。「分ったね」おばさんは勢いよく
戸を閉めて出て行った。
(ちくしょう小人爺さんが悪いんだ)
僕は鏡の中の小人爺さんに文句を言ってやろうと
見たが小人爺さんは肩の上にもどこにもいなくなってた。

「やった!出て行ったんだ!」僕は勝ったんだ、おばさんに
怒鳴られた事で腹が経っていが
いなくなれば何でもいいと思た。
僕は薄い布団を顔まで覆って寝た。朝に成って僕は
ひょっとして小人爺さんが又現れてないか
鏡を覗いてみた。「良かった・・・」

あれは僕の疲れから来た幻覚だったんだと安心した。
施設の食堂へ向った。
おばさんが食事の支度をしていたので僕は昨晩のことを
改めて言葉にして謝った。
おばさんはむすっとした表情だったが「いいよ」だけ言うと
僕に邪魔だから食事の時間が来たら声かけるから
部屋で待ってるように言ってせっせと仕度を続けた。

部屋に戻って僕は寝転がって天井を眺めて思った。
本当にきのうのあの小人爺さんは幻覚だったんだろうか
安心感が急に不安へと変わってしまってた

「おお当たり幻覚なんかじゃねえさ」
僕は鏡を見た、ああ・・・肩の上に憎らしい小人爺さんは
嬉しそうな顔であぐらをかき僕を見ながら
話し始めた。
「言い忘れてた10年までだったら
あんたが俺様に出て行けと叫べは出て行ってたさ。
いいか16年と10カ月も一緒にいるとな
俺様があんたを嫌だ一緒にいたくねえって思わないと
駄目なのさ。つまり主導権は俺様にあるって事さ」と
大あくびをした。
「朝ご飯だよ」おばさんの呼ぶ声が聞こえた。      つづく
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2009年07月17日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第6回

「貧乏神」と言われた後、僕は鏡の中の悲しい自分の顔を
見つめながら思っていた(死にたい)と・・・
「おい今死ぬ事考えてたな」小人爺さんが僕の肩の上で
偉そうに言った。

「当たり前じゃないか僕はまだ17歳にも成ってないのに
生まれながらあんたがいたと気かされれば
誰だって死にたくも成るさ」
すると小人爺さんはこういい続けた「いいか、俺様は
お前の母親が望んだからお前の体の中に
住んでるだけだ」僕はこの小人爺さんは馬鹿かと思った。

「どこの親が自分の子供にお前みたいな貧乏神を望む訳がない
だろう」小人爺さんは「説明しても分らんだろうが
俺達は人間様が貧乏を逆恨みした瞬間に生まれるもんじゃ
お前が俺様を嫌いになったらとっとと出て行ってやるのさ」
何とずうずうしい言い草だと僕は憎憎しげに小人爺さんを
にらみ付けて言ってやった「じぁ僕はお前なんか大嫌いだ!
今この瞬間出て行け!」僕は目をつぶった

そして細目になって恐る恐る鏡の中の小人爺さんが
いなくなっている事を信じて。「あ・・・嘘じゃないか
いるじゃないか、おかしいだろう」
「残念じゃったな。お前の声が聞こえんじゃった」
とニヤリと笑って肩の上で
あつかましくも、あぐら姿に成ってた        つづく
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2009年07月09日

「貧乏神さん僕を嫌いになってくれませんか」第5回

老人のようなしゃがれた声に僕は部屋の中を見渡した。
誰の姿も無い、「誰だ出て来い」と叫んでいたが
出てくるなと脅えている心もあった。

すると「見えるかい」声はさっきよりも小さく聞こえた。
「止めろ見えないじゃないかお化けか」
「壁にかけてある鏡を見な」
鏡は座らないと見えない位置に壁にかけてあったので
僕は正座して座り恐る恐る鏡を見た・・・

顔を鏡に近づけると僕の肩の上に5aもあるかどうかの
人間のおじいさんが座っているのが見えた。
(バスの中で女の子が言ってたこれが小人)僕は手でお爺さんを
肩から虫を払うようにはらった。

気持ち悪すぎる疲れているからこんなものが見えるんだと
言い聞かせた、僕は顔を洗いに洗面所に行った
水道の蛇口に手をかけた瞬間僕の手首に小人爺さんが
ぎょろ目で僕を睨みつていた事で
これは幻覚ではないとあの女の子の言ってた気持ち悪い
正体だと観念し体から力が抜けていた。
小人爺さんは僕を部屋へ戻るように促している気がして

顔も洗うことなく部屋へ戻った。小人爺さんはしゃがれた声で
「俺様が何者かが知りたくないかい」と得意そうな顔で
言った。僕は無気力に小人爺さんに聞いていた。
「お前は何者なんだ」「言ってもいいのか」
僕はいい奴のはずが無い絶対にと思ってても知りたい
とも成っていた。
あんたは「バスに乗ったときから僕の肩にいたのか」
と小人爺さんに聞くと
「違うさ、お前が生まれたときからずっといたのさ」

僕が生まれた時からって小人爺さんと一緒だったと言われて
ゾッとしてしまた。(嘘だ)
「どうなんだ名乗っても言いのかい」僕は強がって言ってし
まった「名乗れよ」小人爺さんは自慢げな顔で
「俺様は貧乏神っていいやす」貧乏神・・・
僕はやっぱり聞くんじゃなかったと後悔していた     つづく
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2009年07月05日

「貧乏神さん僕を嫌いになってくれませんか」第4回

少女の言った事で僕はおばさんとの別れに悲しむ時間を
失った気がして怒りが込み上げた。
(小人が僕の肩に乗っている)そんな事があるわけない
と思いつつも窓に写る自分の肩を見た。

(やっぱり)僕はほっとした。
肩に小人はいなかった、「嫌な事言いやがって」僕は安心
安心したのかバスの運転手さんに起こされるまで
ぐっすりと眠り続けていたようだった。

バスを降りて紙に書かれた地図を見ながら
施設に向って歩く僕の足は重く鉄のようになって行きたくない
拒んでる僕の気持ちが痛いほど感じていたが
今の僕に行く場所は施設以外にはないことも分っていた。
施設は僕が想像したよりも古い民家だった事で
不思議に安心した。

老人が中から無言で僕を手招きした。僕は「こんばんわ」と
頭を下げた。しかし老人は無言のままだった。
施設には十数人ほどの僕と同じ年の少年少女が
暗い目を一斉に僕に向けて針で刺されるような痛みを
僕は感じた。僕には無関心とでも言いたげな空気に
僕は(ここには長くはいられそうにない)と心で感じると
これまで以上に悲しさが込み上がって涙も出てこなかった。
自分を哀れんでしまっていた。とその時、耳元で小さな声が
囁いた「自分が世界一不幸ものはおこがましいね」と、
振り返っても誰もいなかった。       つづく
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2009年06月29日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第3回

母が居なくなってから早くも2年が経っていた。
親戚のおばさんは僕にとても良くしてくれた。だから僕は
母が僕を捨てていった事に悲しいとは
一度だって思わなかった。

そんなある日おばさんの家に張り紙を見つけた。
「金返せ」「内蔵売れ」「寝ささんど」と、僕は慌てて
張り紙をはがした。
「おばさん警察へ通報しょう」と言ったのに、
「ええねんよ」「悪いけどあんたの面倒はもう見られへん
ように成ったから施設へ言った欲しい」
おばちゃんは僕の目を見てはっきりと言った。

僕は施設へ行く事に成りバス停までおばちゃんが
見送ってくれた。「元気で頑張るんやで」
バスに乗った僕は手がちぎれるかと思うほど、おばちゃんに
「さいなら」と言いながら手を振っていた。
僕はガラガラのバスの中の一番後ろの席に座った

気付くと僕の斜め前に女の子が一人だけ乗っていた
女の子は僕の顔をじっと見つめていたずっと、
僕は耐えられなくなり、女の子に言った
「何や僕の顔に何かついとるんか」とにらみ付けると。
女の子が「あんたの首に小さい小人が付いてるやん」
「気持ち悪いわ」と言うと
女の子は僕から離れていった。       つづく
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2009年06月21日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第2回

僕にとって中学時代も貧乏は恥ずかしと思ったが
今の自分を知らなかったから仕方ない話です。勉強が
好きな僕は、授業中は最高に幸せだった
あの時間さえ来なければ、中学時代は楽しかったと思う

それが、お弁当の時間だった。
お弁当の中には、パンの耳だけしか入ってなかったからだ。
どんなにお腹が空いてても嬉しくなかった。

パンの耳は朝、母が近くのパン屋でただでもらって来る。
味噌をつけて食べるのが朝ご飯で、残ったパンの耳を
軽くフライパンで炒めてくれたのが
弁当箱の中に入る。
僕は弁当のフタで隠しながらパンの耳を食べた。見られたく
無かったのだ。
大人に成ってから知った事だが、弁当の中身皆知ってたよって
偶然であったクラスメートに聞かされた。

クラスの誰も気付かない振りをしてくれていたんだと
今になってみると思う。
いじめも僕はされなかった。勉強はクラスで上位だったし
一度は表彰もされた、嬉しい思いでもあった。
それが中学3年に成った2学期の終わる頃だった。

僕は学校から家に帰り、仕事に出ている母を勉強しながら
待っていた。その日は外がすでに暗くなっても
母は帰って来なかったのです。
その時以来、僕は一度も母とは会うことなく母方の
親戚の家に引き取られていった。パンの耳を食べる事も
無くなった。                   つづく
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2009年06月10日

「貧乏神さん僕を嫌いに成ってくれませんか」第1回

僕は貧乏です。自慢する事もない僕の40年の人生の
ほとんどが、貧乏神と共に生きてきたと言っていい実際に今
僕はホームレスです。物心付いた頃から僕には貧乏神との

長い付き合いが始まっていた。最初に悲しい
思いをしたのが小学1年の入学式の時だった。
僕は嬉しくかった理由は(小学校には給食がある)だった。
まともにご飯も食べられなかったからだったから
給食が僕の学校へ行けることの楽しみに成っていた
なのに僕は失敗をしてしまう。

玄関の僕の靴を見て穴があいてることに気付いてしまう
「おかあちゃん靴新しいのに買ってよ」と言ったかと思った瞬間
母の手が思いっきり僕の頭を叩いた「痛い!」
驚いてみた母の顔は鬼だった。

僕は涙を止めていた泣けば
又母の手が僕の頭に飛んでくる恐怖で一杯になっていたから
だった。

入学式はちっとも楽しくなかった。
誰にも破けた靴に気付かれたくないその気持ちで
必死だった。母と手をつないでの入場も僕は自然に母の手を
嫌っていた。しかし、母は無理やり僕の手を取った。
その母の手はガザガザで、母は鬼なんかじゃないと
子供心に思っていた。これが貧乏神が僕についている
ことを知った悲しい日でした             つづく
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2009年01月13日

メルヘン「黒豆さん」

お正月の御節の中に黒豆が一粒だけ残っていた。「皆んないなくなっ
た」おいしそうに食べられていった。「私は誰かに食べられて
人生が終わる」。お正月が来てからきょうで10日目になってしまい
黒豆は考えていた。
「家の人たちの気配が感じられない」不安に成っていた。

「私このままだと腐ってしまう、こんなの駄目でしょ」黒豆は
早く誰かに食べて貰いたかった。
「黒豆が一番輝けるのがお正月だから」
そうですよね、黒豆が家族みんなに注目浴びて「縁起がいいのよ」と
言われて食べて貰える最高の人生の何日間だもの。

なのに、「忘れられてない私黒豆まだ食べて貰ってません」
真っ暗な御重の箱の中でしょんぼりしていました。
あ!賑やかな声が聞こえてきた。「帰って来たんだ」
黒豆の体が動いた。「いよいよだと黒豆は思った」と瞬間!
フタが開いて黒豆はゴミ箱の中へ捨てられるの・・・
「あら、お豆さん1粒残ってるよ」
「メイちゃんおいで」ワンと声がした。メイちゃんは幸せそうに
黒豆をなめなめパクリと食べました。
メイちゃんは最高に嬉しそうでした。黒豆は幸せでした、
いつもメイちゃんは私を食べたそうに見ていたからでした。
何処にでも人生は存在していることを知っていてくださいね 
                          おわり
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2008年12月01日

メルヘン「アヒルの子」8

ルーは激しい嵐に意識が戻りました。気づけば人間はまだ必死で
嵐と戦っていた。ルーは男のポケットの中に入れられていた。
「このままだと僕は食べられるだけだ」ルーは決心を決めた。同じ
死ぬなら食べられるよりも、海に飲み込まれて死ぬほうが言いと
もしかして助かるわずかなチャンスに懸けるんだと

ポケットの中から全身の力を出して外へ飛び出した。あっという間に
ルーは荒れ狂う海の中へ投げ出されました。
「母さん・・・」どれぐらい経ったのでしょうか、ルーは
目を開けました。そこは海辺の波打ち際だった。「助かったんだ」
「ヤッター!」ルーが歩こうとしたとき全身に痛みが走りました。

ルーは嵐の海に身体を叩きつけられたんだから当たり前さ痛い事なんて
助かっただけでも奇跡なんだと思った。
ここはどこなんだろう?誰もいる様子もないし建物すら見当たりません
でした。
「僕の耳には波の音が聞こえる、耳が直ったのは思い違いじゃ
無かったんだ」鳥の声も、風の音さえ聞こえるルーの
喜びは天にも上る思いだった。ここは島なんだろうか?ルーが
あたりを見渡していた時・・・「母さん、ルーだ」と叫ぶ声が聞こえた

「ルー」「ルーだ」ルーを呼ぶ声の方に顔を向けた。「ルーお前なんだ
ね」ルーは痛みも忘れて走ってた。
「母さん、母さん、」ルーの目の前には会いたかった母さんと
兄弟達がいたのです。母さんはルーを抱きしめてくれた。
「無事でいてくれたんだね、あの日お前だけが離れてしまって、
名前を読んでも、お前の耳に届かなかった」母さんは
涙でいっぱいに成りながらあの日の事を話してくれた。必ず会える
と信じていたことも。

ルーは母さんに言った「僕、耳が聞こえるんだよ」母さんは信じられ
ない顔でルーの言葉に驚いていた。ルーは目を閉じて言いました。
「母さん、話してみてよ」「ルーこれが母さんの声だよ」
「ルーこれが母さんの声だよ」「本当だルーの耳が治ったんだ」
ルーは母さんに言いました。僕は白猫さんの所に戻ると心に決めていた
だからこの島で船を作って会いに行きたい。
ルーのお母さんは皆で船を作ろうといってくれた。
そして船が完成した日ルーは出発をしました。「母さん白猫さんたちを
ここに連れて戻ってくるからね」逞しくなったルーを
見送る母さんアヒルは何も心配していませんでした。
「あの子は必ずここへ戻ってきますとも」        おわり 
   
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2008年11月29日

連載「恋」第13回

私は男から送ってきた母の手紙の束を手に取った。じっと目を閉じ
抱きしめました。母の男への思いが痛いほど感じる。
男からの手紙が入っていた。遅くなったことへの詫び状でした。
丁寧な文章に私は思った(こんな文章を書ける人が何故殺人を犯した
かと)母の手紙が男を変えたんだと思った。

私は男の手紙を小物入れから取り出すと、送られてきた母の手紙と
一緒に束にして、お菓子の空箱に入れた。
母の手紙は読まない事に決めていたと言うよりも母と男の「恋」の
中には入れないと思った。

「お母さん。逢いたいでしょう、一緒がいいよね。」二人の
手紙に声をかけて私は幸せな気持ちに成っていく自分が嬉しかった
。お父さん怒るだろうなと笑った。良いよね、お父さんは
優しい人だった、私は分ってるからね。向こうの世界で母と父は
再会したのだろうか?
母の「恋」のこと知ってしまってどうしてるのかなお父さん
男はきっと地獄だから会う事はないから、夫婦又して下さい。
だからこの手紙は、男の所へ送り返すね。
この手紙の居場所はここではないもの、良いよね。

私は男に手紙を書いた。「この手紙は母とあなたのものです。お返し
致します。これが最後の母の手紙として」
私は男に母の名前で手紙の束と一緒に送った。
それから数日後夫が「花嫁の父」として結婚式にでる事を
息子達に打ち明けた。全く知らなかった事だったので息子達は
戸惑っていたが、「お父さんの事だからありえることだよ」と、
「お母さんは言いの」私を気遣ってくれた。
私は離婚届けの用紙を息子達に見せた、そしてそれを破いた。
「これがお母さんの決断」「お父さんを許すんだ」
そこへ
夫が何も知らずに2階から下りてきた。息子達の罵倒の嵐を受けて
いた、私は「お父さん行っていいから」と言うと、
「すまん」夫は謝って急いで家を出て行った。
お母さん、笑う、あんな夫なのにって言いたいでしょ、悔しい
ですよね。でもこれが私の「恋」だからです。       完
ラベル: 手紙
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2008年11月22日

連載「恋」第12回

私は、初めて妹の住むアパートを訪ねた。妹だけが先に病院を
退院したのだ。姪はまだ少し先に成るらしい。
私はお祝い金と、男から頼まれた100万円を妹に渡した。
「お姉ちゃんごめんね」妹の寂しそうな顔が辛かった。
「これから向うで仕事探すのね」と聞くと「もう仕事は決まったの
あの人お姉ちゃんには不満だと思うけど頑張ってくれてる」
男をかばってる、なんだかほっとしている自分がいて嬉しかった。
それから1カ月後、親子三人は東京を離れて行った。

私は取り残されたような寂しさに襲われたが、いつもの生活
がその後も続いていった。私は男の手紙を途中から読むのを止めていた
気づいたのだ、私の恋ではなかったと、これは疑うことも無く
母と男の恋だと云う事に。男の為に買ったセーターは私が着ていた。

そんなある夜に帰宅した夫が「娘が結婚する」と突然食事中に言った。
「式に父親として出る事にしたから」夫は女と連絡取り合っていたのか
と思ったが腹も立たなくなっていた。
「花嫁の父嬉しい」私の皮肉めいた言い方に夫は黙って風呂場へと
部屋を出ていった。あの女が尋ねて来た時からずっと持っていた
離婚届の用紙を取り出してきた。
用紙は古くなりすぎていた。私はそれをじっと見つめてくしゃくしゃ
に丸めるとクズ籠へ捨てた。
翌日役所で離婚届けの真新しい用紙をもらった。
家に帰ると丁度いいタイミングで宅急便の車が止まっていた。
手渡された物は男からの母の手紙だった      つづく
ラベル:小説 離婚用紙
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2008年11月20日

麻生首相、医師への侮辱発言で謝罪です。

こんな人が日本のトップの座にいるかと思うと嘆かわしいばかりです。
きょう首相の自宅へ医師会会長が訪問した。
麻生首相の「社会的に医師には常識の無い人が多い」と発言した事に
たいしての撤回要求だった。「医師は医療現場で真剣に頑張っている
それを侮辱した」と可なりお怒りのご様子でした。

最もな抗議だと思いました。麻生首相は発言に軽はずみな所が多すぎま
す。その前にも幼稚園児達の前で母親が出席している事に
気づかず、先生方も大変でしょう。
園児の後ろには怖い母親が付いているといっちゃいました。
出席していた母親達の顔は凍りついたそうです。

何やっているのでしょうね。側近も何も教えていない?
教えられなくても人として言って良い事と悪い事の区別も出来ない
嗚呼!そんな人が国のトップの座に座っているんですよ。
医師への発言は謝罪したが園児の母達には謝罪は無いのですか?
悲しいです。総理が病気に成っても見てくれる医師がいるのかな!

                  居心地 失言集
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2008年11月17日

メルヘン「アヒルの子」6

ルーが嵐の夜に母さん達と離れ離れに成って早いものです数カ月が
経ちました。白猫のボスのねぐらに住み始めて、
毎日母さん達を朝早くから夜暗くなるまで捜し歩いても、
何の情報も入っては来ませんでした。

ある日、白猫はルーにいいました「お前このままここにいても
母さん達とは会えないと思う」真剣で辛そうな顔でルーに言うと
「お前がいなくなるのは寂しいけど・・・」
ルーは白猫さんの気持ちが分ってた。
白猫さんは自分の事を我が子のように思い始めていることを。

「白猫さん、明日ここを出ます」ルーは泣きそうだったけどいいました
「そうだな、それがいい。お前は母さんと、きっと会える」
そしてその夜ルーは白猫さんの温かい身体に包まれて眠りました。
朝が来ました。白猫さんや他の猫さん達までも
ルーを見送りに集ってくれた。
「元気でな。母さんと会えるといいね」ルーは食べ物をたくさん
もらって背かなに背負い白猫さん達にお別れをして
旅立ちました。        

町を出る。ルーの顔は逞しくなっていました。
涙は流しませんでした。だって、(きっと戻ってくる)と心に決めていた
らでした。
厳しい顔で一度も振り向かず希望を抱いて・・・。   つづく
posted by 桂のたまご at 16:05 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月15日

連載「恋」第11回

「妹と私が話してみるけど、いい」。私が言うと、妹の男は行き成り
土下座してきた、私は戸惑ってしまった「姉さんすいません、
実はサラ金の借金が100万を超えてしまっていて、あいつには知られた
く無いんです」私はあっ気に取られていた。
「家をお金でって借金返済の為なの」「駄目ですね僕は駄目男です」

「この話は聞かなかった事にしてもらえませんか」妹の男は話を続けた
「親子三人であっちで仕事見つけて頑張ろうと、あいつ楽しみに
しているのに僕は恥ずかしいです」。
この男仕事が上手くいってなかったんだと思った。
「出産費用はどうなの、それもサラ金から借りたの?」
小声で「はい」と言った。

私は妹の性格をふと思った(これって妹が分ってる事!)
妹は私の性格をよく知っていて・・・
男をよこした事に段々気づき始めてた。いかにも芝居がかった男の
態度で、私は腹も立つ気が起こらなかった。
「借金は100万で全部なのね、嘘付かないでよ」
「妹に直接渡すからそれでいいでしょ!」悪いけどこれから用事が
あると妹の男には帰ってもらった。

私も馬鹿にされたもんだはと思ったが妹も母親になるのだから
必死なんだろうと理解してやりたかったが姉妹とし何なんだろう
と寂しくも成っていた。
外に出て街中を歩いた、手紙の事が頭をよぎる。
これから寒い日が来る私は男のためにセーターを買おうと店に
入った。夫や息子以外のためにセーターを選ぶ自分が愛しかった。
妹のことやその男の事さえ私の心からはすっかり消え去っていた。
                       つづく

ラベル:小説 性格 妹の男
posted by 桂のたまご at 10:37 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月10日

メルヘン「アヒルの子」5

ルーは水の臭いのする方向へ暗い夜の中を懸命に歩き続けるのでした
。(きっと母さんたちが僕の事を探している)心で思いながら
段々水の臭いがはっきりと近づいいるのが分ってきた。
「母さんルーだよ」ルーは母さんと何度も声をかけ続けていました。

するとルーの目の前に猫が現れてなにやら顔が怒っているのが
暗闇の中の街灯のわずかな明かりでも気づきました。
ルーは首を下げて(ごめんなさい)と謝ると。分ってくれたのか猫は
話しかけくれた。ルーは猫の口元をじっと見つめて
猫の言葉を見るのでした。「うるさいよ!迷子に成ったのか」

ルーはこれまでの出来事と耳が聞こえない事も打ち明けました。
猫は白かった。ルーの話を聞くと「こっちへおいで」と猫の住みかへ
ルーを入れてくれた。「きょうは眠ろ、明日俺達の仲間と一緒に
探してやるから」ルーは嬉しかった。
出会う皆が優しいと心から思った。(母さん待っててね)ルーには
出会える日が近いと感じるのでした。

次の日、猫達が10匹も集ってきてくれた。白猫の云う事に皆は
聞くとパット散らばって探しに出て行ってくれるのでした。
勿論ルー自身もしろ猫と一緒に母さん達を毎日探しました毎日・・・
しかし、7日経っても母さん達の行方は分りませんでした。
しょんぼりしているルーに猫さんは言ってくれた。
「あきらめるなよ!きっと会えると信じるんだ」ルーは猫さんの
言葉に泣いてしまいました。その夜は猫さんの体の中で眠りました。
母さんのようでした。             つづく
posted by 桂のたまご at 13:33 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年11月08日

連載「恋」第10回

男の手紙を私は再び読み始めた。過去の自分とのそれは出会いでも
あった。(母は何故私に成りすましたのだろう)とその思いにも
関心が湧いていた。男の手紙には母への思いやりが感じられて
私は不思議な感覚に成っていた。
(だって私だ物もの)男に気持ちに引きつけられて
行くのが分っていった。

私は自分の事を母以外の、この男が知っててくれた事に心が熱く成って
いっていると思うだけで、自分が手紙に「恋」していると
感じて手が震えた。男の姿まで想像し始めていく
会って見たいと思う自分、まるで少女のように成って行く。
突然玄関のチャイムが鳴った。私は
慌てて手紙を小物入れに戻した。
「はい」玄関には妹の男が立っていた。「お姉さん、少し良いですか」
妹の男を家に入れた「僕は東京を離れる気はないんですよ。仕事だって
あそこからでは遠いし」
「でも、あの狭いアパートで親子三人は住めないでしょ」と、

私が言うと「だから、出来ればあの家を処分してお金で・・・」
この人何考えてるのかと怒る気さえしなかった。
「姉さん、お願いします。あつかましい事は僕だって承知してます」
妹の男の顔には必死に恥を覚悟して、ここへ来たんだと
感じてしまった。               つづく
ラベル:小説 妹の男
posted by 桂のたまご at 09:25 | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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