2008年03月11日

「さくら川」1

風が冷たい季節の中で私とあの人とは、出逢った。仕事帰りの終電車
客はまばらだ。疲れ切った男達がほとんどで私は早く電車から
降りたかった。そんな時に隣の車両から中年の女性が入ってきた
女性は、私の前の席に座ると行き成り泣き出し始めたので
私は(どうしょう)と慌てた!

女性の手には楽器のケース、それを抱きしめるようにいつまでも
泣き続けていたので乗客の男性が声を掛けた「大丈夫かいな」
乗客の男性は少し酔っ払っていた。
「すいません、大丈夫ですから」女性はそういった後も
涙が止まる事は無かった。
間もなく私の降りる駅に近づいて来ていたが私はこの女性が
何だか気にかかり、そのまま降りずに女性を見守り続けてしまった。

女性はようやく泣かなくなった。すると、私と目が合った瞬間!
ぱっと立ち上がり私に向って「これあんたに上げる」と
手に持っていた楽器を手渡した。    つづく
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2008年03月03日

国選弁護人対日弁連の戦いのゴングが鳴る!

国からの弁護報酬以外の受領を禁じられている国選弁護人が
男性被告人から、留置中の被告への差し入れをする
手数料として10万円の報酬を受け取っていた行為に対して
大阪弁護士会は「弁護活動に絡む金ではないと」処分を見送っていた
、しかし、日本弁護士連合会に覆され、

審理のやり直した。結果、弁護士は懲戒処分と成った。
これに対して弁護士は処分を不服として徹底抗戦する事に成った。
日弁連は「国選弁護事件では、被告人から、名目のいかんを
問わず、報酬そのほかの対価を受領してはならない」これらに
該当しているとして、懲戒処分は妥当だと話した。
弁護士は「差し入れには手間がかかり、手数料は妥当、いわば
被告の雑務を頼まれることを、ボランティアで引き受けるか
断るかしか選択が無くなる」日弁連に不服申し立てを
退けられた場合、東京高裁への提訴も辞さない構えであるとした。
私の見解は、やはり弁護士は、報酬を受け取ってはいけないと
思います。例えば被告人に別の便利屋を紹介も出来たはず
だからです。可なり勝ち目はないと思いますよ!

                居心地 簡単
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2008年02月24日

しょこたん、テレビ番組で不適切発言!

ブログ女王のしょこたんがTBSの「サンデー・ジャポン」に出演
していた中でイージス艦事故に触れ、「絶対避けられた事故
親子は死ななくて良かったのにと」発言した事で。
番組の最後に謝罪していた。行方不明の場合にはこの発言が
不適切に成ると云う事は分りますが、
悪気があったとは誰も思わないでしょう。うっかり思い込んで
しまい。怒りが爆発しすぎての発言でした。

直ぐに謝ったから良かったと思います。
言葉ほど難しい物はないですね、思い込んでしまうことあります。
それがメディアでの発言になると不適切となる。
サンデー・ジャポンが三浦和義氏をレポーターとして
番組に使っていたこと自体、不適切ではなかったのでは
ありませんか!

                居心地 不適切
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衝撃!ロス疑惑の三浦和義米ロス警察逮捕!

驚きました。27年前 妻一美さん殺害の容疑で「ロス疑惑」として
ワイドショーでの三浦和義元被告に対して
犯人扱いをしている、取り上げ方が社会問題に成った三浦元被告が
サイパンの空港で、米ロス警察が、妻、一美さん殺害の
容疑で逮捕したと伝えてきました。

身柄はサイパン島の留置場に拘束されていると伝えてきた。
間もなくロサンデルス警察の逮捕が行われると
発表してきた。詳しい事が分りませんから、何も言いようがない
ですが、まさに「コールドケース」という事でしょう。
真実が明らかに成る事を願います。
時効のない米、忘れられていなかった事に感動しました。

                居心地 真実
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2008年02月18日

ヤフー買収話に取締会に不協和音です!

MSがヤフーに買収話を持ってきた。買取価格は4兆円である。
グーグルに対抗してMS側の提案に対して米ヤフーのヤン氏は
買収には応じないと発表したが、取締会で役員間が分裂
している。MSの要求を受ける事が株主の利益となる、なのにヤン氏は
個人的な感情でMSが嫌いという、株主の利益を全く無視して
いるとして、近く裁判に持ち込む可能性が出てきた。

第二株主投資会社のレッグ・メイソンが、経営陣に
MSとの交渉に応じるよう圧力を強める構えを見せている。
私が思うに、企業を立ち上げる時に株式上場を大抵はする
信用が出来る事がメリットだからでしょう。
しかし、株主は企業を愛してはいない、お金を愛してるだけです。
当然MSの買収には儲けが株主に入る。
企業が株式上場した時点で企業は株主の物に成る。
これは、その典型的な話です。嫌ですね株主は何にもしていないのに
株を持っているだけでいいたい事がいえてしまう。
株式上場反対です!
               居心地 株主
ラベル:株主
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2008年02月13日

童話「月と孤独な老人」3

が朝、仕立て屋は、新しい看板を作りました。服を作りたい!
随分長い間ミシンを使っていなかった仕立て屋は。一台だけ残した
ミシンに油を差して布切れを縫って見ました。ミシンの懐かしい
音に心が弾みました。「どんな注文でもお受けいたします」と
表に看板をかけました。
仕立て屋は落ち着きません、お客さまが服の注文にいつ来てくれるか
と思っただけで、そわそわするばかりでした。
すると、
一人の婦人が店に入ってきました。「どんな注文でもいいのですか」
婦人は見た目にも太っていました。「へい」「服を縫ってくれる
のはおじいさんなの」仕立て屋は、おじいさんと言われて始めて
気付いたのです、自分が歳を取っていた事に。
「へい、作用で」「布地を見せてもらえるかしら」
布は、わずかしかありません、婦人は「仕立て屋に布生地が
たったのこれだけしかないなんて」と馬鹿にした顔で怒った様に
店を出て行ってしまいました。夜、天窓の月に仕立て屋は
寂しそうに話した。「お月様わしは自分が老人になっている事を
すっかり忘れていやした」月は仕立て屋の悲しげな顔を
優しく照らしてくれていました。
次の日もその次の日も、店には、お客が誰も来ませんでした。
仕立て屋はあきらめようと看板を外そうとしていると一人の
娘さんが、近づいてきました「あのうお願いです私にウエデッングド
レスを作っていただけませんか」仕立て屋は「へい」と答えました。
「娘さん布地がこれだけしか無いのじぁ、ええかのう」
娘は「仕立て屋さん私はお金が10リラだけしか持ってないのです
それでも良いでしょうか」「へい、良いですとも」   つづく
ラベル:童話 仕立て屋
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2008年02月05日

童話「月と孤独な老人」2

店の中は荒れ放題に成っていました。クモの巣が張っていて
ミシンもホコリだらけに成っていたので、仕立て屋は
頑張って掃除を始めすっかり店を綺麗にしたのでした。お腹が
急に減ってきました。しかし、お金がありません。
三台あるミシンを一台だけ残して、
古道具屋に売りました。わずかなお金でしたが、パンとチーズを
買う事が出来ました。
店に戻ると小さなソファーに腰掛け。

パンを食べました。急に寂しさが胸を締め付け涙がとめどなく
流れてきました。しばらくして、ふと天井から紐が垂れ下がっている
のに気付くと引っ張って見ました。
すると、暗い店の中がぱっと明るく成りました。
天窓を開ける為の紐だったのです。
天窓の中には丸い月が見えました、仕立て屋のとらわれていた
牢には窓がなく月を見るのは久しぶりの事でした。
「何て綺麗なんだろう」その夜は月の光の中で
朝までぐっすりと眠った仕立て屋でした。      つづく
ラベル:仕立て屋 童話
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2008年01月30日

「月と孤独な老人」

ローマの街はずれに古びた洋服屋があった。店には洋服を注文して
くれる人も無く、寂しく暮らしていた。
老人が、若かった頃には有名な仕立て屋で沢山の洋服の注文に
追われていた。家族も妻と子供三人の五人家族
老人が最も幸せな時だった。
その幸せが崩れる事件が起こってしまった。お城から王妃のドレスの
注文が来た!「こんな光栄なことは無い素晴らしいドレスを
作らなければ」と仕立て屋は張り切っていた。
仮縫いにお城へと招かれ王妃に仮縫いを始めた時だった。
緊張した仕立て屋は、ありえない失敗をしてしまった。「痛い!」
王妃が悲鳴を上げた。大変針を謝って王妃の肩に刺して
しまったのです。「王妃様にお前は何と云う事を」仕立て屋は
牢へ入れられました。何十年もでした。

王妃に王子様が誕生した事で、恩赦が下り仕立て屋は牢から
出してもらう日を迎えました。
仕立て屋は、急いで店に戻りました。
店の前に立ったとき仕立て屋は驚きました。洋服屋の店は
誰も住んでいる様子も無く、店の中にはクモの巣だらけに
成っていたのでした。あれから家族が何処へ行ったのかも
誰に聞いても分りませんでした。      つづく
ラベル:エンタメ 童話
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2008年01月04日

寒椿と雪のおはなし

家の裏庭のブロックの隙間に、寒椿の木が一本根付いていた。
誰にも見られることなく数年の年月が流れていた、10aだった
あの日から、今では1bにまで伸びていたでも、陽当たりが
悪く、その姿は細くて何ともいえない情けない姿だった。

この年は珍しく雪が降った。北の国ならともかくも
ここは南の国だったから、寒椿の木は雪の重さに耐え切れず
今にも木が折れそうに成った。
「冷たいし、重いし何なんだよ!俺の体から降りてよ」
寒椿が雪に言った「あんた何言ってんの大丈夫だって」
雪が答えた「折れるだろう大丈夫じゃないから」
「あんたさ、少しは体ぶるぶる動かしてみれば」寒椿はむっとした。
「僕の身体に断りもなく乗ってんのはそっちの方だろう」
雪は言ってきた「そのままじゃ本当に折れるよ」
腹が立ったが寒椿が全身で力いっぱいぶるぶると体を振った。

ほんの少したけど体が軽くなった。
「やれば出来るじゃん」寒椿は言い返した「お前さ、冷たすぎるよ俺
は寒いの苦手なんだから」雪が驚いた「あんたの名前、寒椿てんだろ
う」雪は続けて言った「寒い時に白い花を咲かせるから寒椿って
言われているのにさぁ寒い冷たいっておかしくない」そう言われて
寒椿は気付いた、段々寒さが冷たさが気に成らなくなって来ている
事に、「俺白い花が咲くのかい」「そうともさ
雪に似ているんだぞ俺達にさ、この場所は良くないよな」
だけど雪が一つの小さな蕾を見つけていた。
「今年白い雪の花が咲くよ、その頃には俺達はいないけどね」
寒椿に積もっていた雪が太陽の陽に溶け始めていった。
お昼過ぎごろには、全く雪はいなく成っていた。何日かが過ぎた頃
小鳥の声がした。「こんなところに寒椿の白い花が一つ咲いてる」
「まるで雪のようだね」
次から次に小鳥達が集ってきた。ひょろりと細い寒椿の初めての
花を咲かせた日でした。
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2008年01月02日

ルー大柴 独立しました!

ルー語の人気で復活してきたルー大柴さんが20年いた「浅井企画」
を円満退社し、担当マネージャーとともに新会社を立ち上げた。
残念です、業界でも「浅井企画」の社長さんは
凄く良い人で、売れないときでもギャラは十分に貰っていたのに
最近の人気に、チョット天狗さんに成ったのかな?

事務所での雑用
大変ですよ、細かい事務処理に時間がとられて
仕事が大変に成りますよ。
金銭的に、不満があったのでしょうか分りませんが。
仕事に集中できるのも、事務所のお陰なんですよ。
特に「浅井企画」を辞める事はルーさんにとってはマイナスと
成るでしょう。
               居心地 雑務
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2007年12月24日

「たまごの願い大賞」

私のブログの賞「たまごの願い賞」の今年最後は
大賞にしたいと思います。様々に活躍した人達、
チームと、皆さんに挙げたい気持ちですが、
一番印象の思いを感じたこのチームに決めました。

        07年度「たまごの願い大賞」

      サッカークラブ3位に輝いた
            浦和レッズです!

        感動をありがとう!一番でした!

              居心地 来年は
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2007年12月04日

紅白出場歌手決まる

発表された、紅白出場歌手の顔ぶれを見て思った。
相変わらずの常連さん達のお歌会に成りそうですね。
ただし
徳永英明さんが誰のカバー曲を歌うかは注目しています。
時間が分れば聞きたいです。

           居心地 大晦日
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2007年11月30日

連載「みかんの花の咲く丘で」24

みかん畑の丘から瀬戸海を眺めた。
14年間の思いが、風に乗って青い海の中に吸い込まれて行く気がした
小さなみかんの実がナツミちゃんに見えた。
花が、海の上に船を見つけて「オーイ!と手を振った」
新平も同じく「オーイと大きな声で両手を振って、カン、お前も
やろうよ」僕は気恥ずかしいさで手だけを振った。
ナツミちゃんのおばさんが僕達に言った「今日は家に泊まって
下さい、皆さん学生さんやね、ナツミも花さんの様に生きていたら
女子大生になっていたかもと想像してしまいます。
あなた達の事、聞かせてくれますか」
その夜、僕達は遅くまで、それぞれの話で盛り上がっていた。
おばさんは、嬉しそうに只聞いていてくれた。
朝、僕は薄暗い中、段々畑を一人あがって行った。ナツミちゃんの
お墓に、一人で逢いたかったからだった。
夜が明けてきていた。お墓の前で僕は仰向けになって
横に並んだ。ナツミちゃんの手をつないで眠ったあの日に戻ってた。
涙がこれでもかと溢れてきたが僕はそのままでナツミちゃんに
話しかけた「ナツミちゃん、きょう、お別れしにきたんや
けど僕は一生ナツミちゃんの事忘れん、言うで、さよなら」言い終わ
ると僕は起き上がり、みかん畑の中を思いっきり駆け下りた。
僕の顔は涙でぐちゃぐちゃに成っていた。  つづく

ラベル:小説
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2007年11月27日

連載「みかんの花の咲く丘で」23

僕はナツミちゃんのお墓の前で座る事が出来なかった。
膝から崩れるようにナツミちゃんのお墓に手が触れた。
言葉が浮かばない、新平と花が僕の身体を支えてくれて、
「大丈夫か、カンしっかりしろ」
新平と花の声だと分ったが僕は立ち上がる事が
出来なかった。

おばさんの声が聞こえた「ナツミが喜んでいます、カンちゃん」
あの日のナツミちゃんの顔が、おばさんの声で僕の頭の中から
涙で一杯だったナツミちゃんの顔が消えていく僕は慌ててしまった
耐えられなくなっていた。「僕らの事許さんといて欲しいお願いや
ナツミちゃん僕を絶対許さんといて」そう僕が叫んだとき、風が
優しく僕の中に入ってきた、はっとした僕はその時まぎれも無く
風の中にナツミちゃんを感じた。

風は僕の心にも自由に入ってきた。
その優しい心地よい風に僕の目から涙がこぼれ落ち始めていた。
涙のしずくの中に6歳の可愛かったナツミちゃんが写っていた。
そして、「カン兄ちゃん泣かんといて、うちはこの場所に来てから
いつでもカン兄ちゃんの事みてたんや」
僕は、涙を拭きながらナツミちゃんのお墓に向って言った。
僕もナツミちゃんをいつも感じてたよと心で応えた。
風は僕の中からすり抜けて行きながら言った。
「カン兄ちゃん、さいなら!逢いたくなったらここに来てな」
ナツミちゃんの声はそれっきり聞こえなくなっていた。 つづく
ラベル:小説
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2007年11月20日

連載「みかんの花の咲く丘で」22

僕はおばさんに「ナツミちゃんのお墓へ行きたいと」言った。
おばさんは、「きっと、カンちゃんが来る事を待っていたと思います
少し遠い場所にあるので我慢して下さい」
僕達は、おばさんの後について歩いた。瀬戸内海の海が何処までも
続いて見えた、僕は香川でも瀬戸の海を眺めていたのに
これは、全く違って見えていた。愛媛の宇和地域には、みかんの木が
段々畑に綺麗に並んでいた。途中、おばさんが話した
「6月頃には、みかんの花が満開に咲いていたんですよ」
みかんの木を見ると、小さな実が付いていた、僕達に微笑んで
くれている様に感じた、随分歩いた所で「お疲れ様着きましたよ」
おばさんは、みかんの木に囲まれた中に
入っていった僕達もつづいて中へ、そこには小さな墓石が立っていた
まぎれも無いナツミちゃんのお墓だった。
「ここが一番いい場所でね、瀬戸の海が見えて、
みかんの木に囲まれていて5年前にお墓を移してやったんです」
おばさんはナツミちゃんのお墓に話しかけた
「ナツミ、カンちゃんが来てくれたよ良かったね」
僕はナツミちゃんのお墓の前で立ち尽くしていた。  つづく
ラベル:小説
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2007年11月14日

連載「みかんの花の咲く丘で」20

瀬戸大橋を渡り切った。僕達三人はそのまま愛媛へと車を走らせた
海が青く久ぶりの海の匂いが僕の胸を締めつけていた。
やがて、愛媛に着いた。車を駐車場に入れて三人で愛媛の町を歩いた
住所を書いた紙を出して人に聞きながら
目的の「川村みかん農園」を探した。食堂に入ってうどんを
食べながら店の人に聞いて見る事にした。
「川村農園さんは、ここから北側の階段を上がったら直ぐですよ」
ついに、来たんだと僕は思った。急に体が震えだしていた。
新平が「カン、行くぞ大丈夫か」心配そうに言ってくれた。
三人は階段を登り始めた結構きつい階段だったので
僕らは、ハァハァと言いながら上についた。
目の前に「川村みかん農園」の看板が掛けてあった。
暫く家の前でじっとしていた、すると女の人が僕達の方へ
歩いてきた僕はその人の顔を見て直ぐに気づいた
ナツミちゃんのおばさんだと、あの日見た綺麗なナツミちゃんの
お母さんだった、「何か御用ですか」
僕は頭を下げて挨拶をした「僕、津村寛三です」
おばさんは驚いた顔で僕を見ると「津村さん、カンちゃん」
「はい」おばさんは僕の手を取り「ナツミの事知って来てくれたの」
おばさんは笑顔で「ありがとう」と言ってくれた。
「すいません、おばさん、すいません」とだけしか僕は
言葉が出てこなかった。  つづく
ラベル:小説
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2007年11月09日

連載「みかんの花の咲く丘で」19

車の中から外をぼんやりと眺めていた。東京タワーの照明が
目に入ってきたその時、僕は初めて涙がとめどなく流れている事に
気ずいた。涙でかすむタワーが綺麗だと僕の心が思っていた。
新平も花もそんな僕を黙って見ていてくれた。
車は高速に入った、花がこれまでの経緯を新平に話してくれていた。
車は、サービスエリアに入った。僕達はそこで食事を取った。
新平が聞いてきた「カン、会いに行くのは何の為だよ、その子は
死んでいるのに」「カンは、終わりにしないと駄目なの、その為に
行くのよ」花の言葉は真実を突いていた。「新平、頼む行かせてくれ
」新平は無言で車を走らせてくれた。三人は長い時間一言も
話す事も無く暗闇の高速を走ってた。岡山県に着いたのは
早朝の薄霧の中だった。瀬戸大橋を初めて渡った。
「カン、香川のお袋さんの所へは寄って行かんのか」
「おじさんに、その子の事言わないの」
僕は何も言えなかった「愛媛に言って欲しい」と言った  つづく
ラベル:小説
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2007年11月06日

連載「みかんの花の咲く丘で」18

僕は疲れきっていた。部屋の前に立っている、花、の姿を見て
きょう僕は初めてホッとした気持ちに成った。花は、僕に言った
「カン、何かあったの大学にも来なくなって何してんのよ」
僕は鍵を開けると、花を部屋の中へ入れた。
きょうの出来事を話そうと決めた。僕の話に花が黙って聞き続けて
くれた事が嬉しいと思った。余計な質問を一度もしないのが、
花らしいと僕は思った。
聞き終わると、花が口を開いて言った言葉は、「カン、愛媛に
行こう、行かなきゃ駄目だよ」僕もそう感じていた。
「私も会いにいきたい、いいかなぁ」
勿論だと僕は言った。一人では行く勇気が無い自分を分っていた
からだ、花は、携帯電話で新平に、車でこっちへ来るように
話していた。「カン、私達は三人一緒だよ、だからいいね」
暫くして、新平がやって来た。「おう元気そうだな」
新平とは一ヶ月ぶりだったが髪が五分刈りに成っていたので
僕も花も思わず笑ってしまった。
「新平、和菓子屋の職人になってるね」
「うるさい、笑うなよ似合ってないし、何の用だよ」
花が、これから新平の車で四国に行こうといった。
四国、新平が香川の僕の家に行くのかと僕に聞いてきた。
僕は「違うよ、ごめん」花が「愛媛に三人で行くの」
愛媛、今から冗談じゃないよと新平が言うと。
花が「カンの為だからお願い行こう三人で」事情は車の中で
話すからさ、こうして僕達三人で愛媛に向って
出発した。夜の8時を回っていた。    つづく
ラベル:小説
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2007年11月02日

連載「みかんの花の咲く丘で」17

おばちゃんの話は続いた、「ナツミちゃんは可哀相やった、たったの
6歳の短い命で死んでしもて、お母さんが気狂ったようにならはって
それは大変やったんや」僕は話を聞いていながら頭がぼおっとして
体の力が抜けていくのが自分でも感じてきていた。「カンちゃん
大丈夫か」おばちゃんの声に直ぐには反応できなくなっていたが、
「おばちゃん、ナツミちゃんは本当に死んだんですか?」
僕の言葉におばちゃんが話しているのに僕は聞き取れなくさえ成って
いた。おばちゃんがコーヒー牛乳を飲ませてくれた。
甘いその味は子供の頃に良くおばちゃんの家で
飲ませてくれていた味だった、「カンちゃん、あんたのお父ちゃん
大変やったんやで、ナツミちゃんの親戚の人に怒鳴られて
頭何べんも下げてはったんやで、ナツミちゃんのお母さんが
あんた達が車に乗っていたて泣き叫んで言うわはったから」
僕は、父と言われて自分を取り戻した。
父は今何処にいるんですか?
「ここから出でいかはったわ、それっきり知らんのや」
この14年の間僕はこんな事に成っていたことを知らずに
生きてきた自分が、いたたまれなくなっていた。
「ナツミちゃんのお母さんが遺骨を持って実家の愛媛に
帰っていかはった」愛媛「おばちゃん四国の愛媛ですか」
「そうや、幸枝さんの実家で、確か年賀状が来てた」そう云うと
立ち上がって食器棚の引き出しから一枚の葉書を見せてくれた。
僕は住所と電話番号を控えると、おばちゃんにお礼を言って
家を後にした。葉書には、川村幸枝と書いてあった。
僕は、そのまま東京のアパートに帰ってきた、花が部屋の前に
心配そうな顔で立っていた。  火曜日につづく
ラベル:小説
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2007年11月01日

連載「みかんの花咲く丘で」16

「カンちゃん、ほんまかいな」おばちゃんはまだ信じられない顔
だった。おばちゃんは僕を家の中に入れてくれた。
何しろ14年の年月が経っているのだから無理も無い事である。
僕は母の名前を言った「おばちゃん僕は希美子の子供だよ」
「希美子さん、懐かしいなぁ、そうかカンちゃんかいな大人に成って
分らんでごめんな。お母さん元気にしたはるんか」「はい」
僕は早くナツミちゃんの事を知りたかったので聞こうとしたその時
だった、おばちゃんが言い始めた「あんな、聞きにくい話やけど
カンちゃん、木下さんのおっちゃんと一緒に居るんか」
僕は知られていたんだと思うと悲しかった。
僕は頭を立てにうなずいた。「おばちゃん、教えて欲しいナツミ
ちゃんは今何処に居るんですか」「知らんかったんか」
おばちゃんは悲しそうな顔で言った。
「あの日あんたら三人がこの町を出て行った日の朝早ように
表通りでダンプにひかれて死んだんやで」
僕の頭の中がぐるぐると回りだしていた、「嘘や、嘘や、ナツミ
ちゃんがあの日死んだ」僕は車を追いかけて見えなくなっていった
ナツミちゃんの姿が昨日のように蘇えっていた。
僕は、大声で泣きたい気持ちを必死にこらえていた。  つづく
ラベル:小説
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